不登校にみられる幼児退行現象。拒否すると、引きこもりになる可能性がありますので、「しばらくは愛情が必要なんだ」と受け止めてください。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2020年11月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月3日
不登校になった子供たちの中に、時々、赤ちゃんがえりの「幼児退行現象」を示す子供たちがいます。
すなわち、
頭をなでてほしいとせがむ
どこにいくにも一緒にくっついてくる
簡単なことも「ほら、見て見て。すごいでしょう」と称賛を求める
体をさわってくる
幼児言葉を使う
添い寝を求める
一緒にお風呂に入りたがる
などの行動です。
このような幼児退行現象を起こすのは、18歳未満の子供たちで、たとえば社会に出た子供が、社会から家庭に逃避してきた場合、こうした幼児退行現象はあまり起こりません。
それは、18歳以上の場合は、自我が形成されているからです。幼児退行現象は、学校でストレスを感じたり、自己承認欲求が満たされないようなことが起こった場合に見られる現象です。自我が確立されていない子供たちが、再び家庭に避難し、もう一度自分が安心できる場で、愛情や承認を確認し、自分は愛されている、認められていると安心していく行為でもあります。そうしたことは、自我が確立されていない段階ならではのことでしょう。
実は、幼児退行を起こすということは、ある意味、お母様に対して信頼していることでもあります。学校でストレスを感じることがあっても、もしお母様への信頼がなければ、幼児退行することなく、そのまま部屋に引きこもってしまうでしょう。幼児退行現象は、お母様への信頼の証、でもあります。
ただ、幼児退行現象に最も接することになるお母様にとっては、ちょっと受け入れがたい部分もあるでしょう。特に、自分よりも背丈の高い息子が、幼児退行を起こして甘えてくる様子には、そう思ってはいけないですが「ちょっと気持ち悪い」と思ってしまうかもしれません。
しかし、ここで幼児退行現象を突っぱねてしまうと、自分を認めてもらいたい、愛情を確認したいという子供の欲求が満たされなくなり、親との信頼関係が崩れてしまう可能性があります。そうなると、不登校の解決が遠のいてしまうのです。
そこで、幼児退行現象を受け入れて接していくと、やがておさまっていきます。数週間ですむこともあれば、数カ月かかることもありますが、子供が、愛情や自己承認を確認できると、もとの年相応の態度に戻っていきます。
ある程度の年齢の子供の、過剰なスキンシップが耐えがたい、と悩んでいるお母様もいらっしゃいますが、そのような時は、何か別な形に変えるように導いていくのが望ましいです。
ただ、何でもかんでも幼児退行現象を受けいれて、イエスマンになってしまうのはまずいです。善悪の価値基準や他人への迷惑の有無などの基準からみて、それらに触れる行為については、「それはいけない」ときちんと教えることは必要です。
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