不登校・引きこもりの子供に対して、周囲の大人が何もせず待つのは、不登校・引きこもりを長引かせてしまいます。不登校・引きこもりを早く解決するためには、やはり登校刺激が必要ですが、単に、
「学校に行きなさい」
と言うだけでは、学校に行く気を出させるどころか、かえって行く気をそいでしまいます。
そこで、登校刺激は、まず不登校・引きこもりの原因に応じた形で行う必要があります。
いじめが原因で、不登校・引きこもりになっている場合、まず、いじめのない環境にすることが、子供にとっての登校刺激となります。
また、いじめによって心が傷ついていますので、その心をケアし、自信を取り戻すようにコミュニケーションをとることも、登校刺激になります。
人間関係のストレスが原因となっている場合、どうしてストレスを受けてしまうのかを、できるだけ冷静に見ることが必要です。
子供の正義感が強かったり、優しかったりする場合は、その長所から起きていることですので、まずその長所をほめてあげるべきです。子供は長所であると認識していませんので、
正義感が強いことや、優しいことは素晴らしい人間性であることを話し、自信を取り戻させることが、心の傷をいやして、登校するための刺激になります。
そして、そのストレスの流し方を教えることが、次の登校刺激となります。人間関係は大人になってからも悩みます。そこで受けるストレスの流し方を、子供の時から学んでいたら、後で楽になります。
生きる意味や目的がわからないために、不登校や引きこもりになっている場合、それを教える必要があります。このとき、伝える側、すなわち、親や先生、カウンセラーに、しっかりとした道徳観・人生観があるかどうかが問われます。
それがなくて、
「いい学校に行っていい人生を送るため」
という、底の浅いことを伝えても、
「何のために生きているのか」
という根源的な子供の疑問に応えられず、子供の心に届きません。登校刺激にならないのです。
このように登校刺激は、不登校・引きこもりになった原因によって、適切な内容が大きく異なります。そこで、子供に向き合い、その心の状態をしっかりと見てあげることが、適切な登校刺激を行う第一歩になります。