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不登校・引きこもりの原因を言わない子供たち―無理に聞き出す必要はありません―


 我が子が不登校や引きこもりになると、その原因を聞きたいのが親心です。もし、いじめなどの問題があれば、親として何とかしてやりたいと思います。他の原因であったら、その原因をなくすようにしたいところでしょう。また、不登校・引きこもりの原因が明らかになった方が、早くそうした状態を改善することができます。

 しかし、子供に聞いても、原因を言わないことがあります。それには、いくつかの理由があります。

 子供自身が、そうなった原因を理解していない場合があります。特に、小学校低学年に多いケースですが、思春期の子供にもあります。子供は、自分の心の状態を言語化する力がまだ、十分ではありません。そのため、

「どうして学校にいけないの」

「よくわからない」

「誰かにいじめられているの」

「そんなことはない」

「勉強が嫌いなの」

「そうじゃない」

「嫌いな友達がいるの」

「いないよ」

と、いろいろと親が子供に質問しても、要領を得ない答えしか、返ってこないのです。

 こういう場合、原因を知ろうと無理に質問を続けても効果はありません。子供が幼い場合、親を納得させようと、ウソの原因を話してしまうことがあります。

 本当はそのようなことはないのに、○○君がいじめたとか、○○先生が厳しく叱るとか、話してしまうのです。実際、名指しされた○○君が怒って、人間関係が悪くなり、かえって学校に行けなくなって、不登校が長引いた、というケースがあります。

 子供が原因を把握しているのに、それを打ち明けないということもあります。それは、親子関係に原因があるか、友達などの人間関係に原因がある場合です。親に長年、言えなかったことが心の中にたまってしまい、不登校や引きこもりになった場合、親に打ち明けない子がいます。親の期待に応えたいという性格の子に多いパターンです。


 親の期待に応えようと長年頑張ってきて、疲れてしまったような時、親にその気持ちを言ってしまうと、親から嫌われると恐れて、言えないのです。

 あるいは、親に対してマイナスの感情を抱いている子供の場合、

「自分が抱えてきた思いを言わなくとも、親に気づいてほしい」

という思いがあって、気持ちを親に言わないこともあります。

 友達との人間関係が原因で、不登校や引きこもりになった場合、多くのケースでは、そのことを親に言いません。子供にもプライドがあり、親に言えないのです。また、親に心配を

かけたくないという気持ちもあります。

 このように、不登校・引きこもりの原因を子供が話さない時には、周囲の人が、その原因の見立てを行い、それに沿ったアプローチをした方がいいです。子供の性格や学校での様子、親子関係などを考慮に入れて、親子関係に原因があるのか、学校になじめないからか、

友達との人間関係に原因があるのか、などと見立てを行って、改善すべきところは改善する

というアプローチをした方が、話は早いのです。

 もし、アプローチの効果がなかなか出ないのであれば、見立てを修正してそれに沿ったアプローチに変えていけばいいのです。



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