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不登校カウンセリングブログその27.不登校の子供がゲームばかり、昼夜逆転の生活、何をすればいい?

更新日:2022年2月6日



 子供が不登校になって間もない頃の「混乱期」、あるいは混乱がおさまった「安定期」では、子供はゲームばかりしています。親から見ても、よくそんなにゲームばかりできるなと思うほどです。

 おまけに、昼と夜の生活が逆転することもあります。昼は寝て、夜に起きてコンビニに行ったり、漫画を読んだりします。

 そういう子供に対して、たまらなく不安になったり、いらだちを感じたりする親御さんは多いはずです。「うちの子は何にも考えていないのだろうか」と思っても不思議はありません。

 しかし実際は、子供もとても不安なのです。

「これからどうなるのだろうか」

「自分の将来は大丈夫なのか」

「学校に行けるようになるのだろうか」

と、不安や葛藤が心の中で渦巻いています。中には、「自分の将来はもう野垂れ死にしかない」と考えている子さえいるのです。

 そのままでは、その不安や葛藤に押しつぶされてしまいますので、ゲームをすることによって、自分の心を守っているのです。ゲームをしている後ろ姿は、心の中で悩みまくっている姿でもあります。楽しそうに見えるかもしれませんが、決して楽しいわけではないのです。中には、楽しいと感じている子もいますので、100%そうだとは言えませんが、心から楽しんでいる子は、そう多くはないでしょう。

 昼夜逆転の生活も、怠惰になったからそうなったのではありません。多くの元不登校児たちが語っていますが、自分と同世代の子たちが学校に行っている時間帯に、自分一人が学校にいけないことには、後ろめたさや罪悪感を感じています。


 外から、同世代の子供たちの声が聞こえると、焦りが出てきてたまらなくなる、という子供もいます。外に出て、友人や知っている子にバッタリ会ってしまうのも、極力避けたいと思います。

 しかし、日中眠って、夜、活動する生活パターンにすれば、そうしたことは避けられます。子供には子供のプライドがあり、そのプライドが傷つくことから遠ざかりたいと思うのです。

 では、ゲーム三昧の日々、昼夜逆転の日々を送ることに対して、親など周囲の大人たちは、何をなすべきでしょうか。ゲームをやめさせ、当たり前の、夜眠って昼起きる生活にも戻すために、何かしなければならないのでしょうか。

 実は、ゲームばかりの生活や、昼夜逆転の生活それ自体に対して、何かをする必要はありません。ゲームをやめさせたり、無理に朝起きて、夜眠る生活に変えさせたりすることはないのです。これらは、言ってみれば、不登校の「症状」であり、不登校それ自体を改善していけば、ゲームをやめ、昼夜逆転の生活は元通りになります。

 不登校は、「混乱期」→「安定期」→「転換期」→「回復期」というプロセスをとります。ゲーム三昧や昼夜逆転の生活は、「混乱期」や「安定期」においてみられるもので、「転換期」に入ると、外の世界に関心を持ち始め、「学校に戻ろうかな」と考え始めますので、ゲームを控えるようになり、日中起きる生活に変わっていきます。

 先にも書きましたがそもそも、ゲーム三昧になってしまうのは、将来への不安を拭い去るためです。転換期に入って、将来への希望が出てきたら、ゲーム三昧になる必要はないのです。昼夜逆転の生活も、外の世界に行こうかなと考え始めれば、それは「昼間の外」のことですので、元通りになります。

 ゲーム三昧の生活、昼夜逆転の生活に対して、親がなすべきことは、子供を裁かず、いらいらしないということです。それは子供に伝わります。伝わりますと、ますます転換期に入るのが遅れてしまいます。子供を裁かずいらいらせず、「きっと心の中では苦しいんだな」と子供の気持ちを汲み取ってあげるのが、親としてなすべきことです。


 ゲーム三昧の姿を見ていて、本当にそうなの?と思いたくなるでしょうが、不登校の状況から出ていった子供たちの多くが、その当時のことをふり返ってそう述べていますので、そこは子供たちの話を信じる方がいいのでしょう。





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