深く考える子が、不登校・引きこもりになる理由
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2016年9月27日
- 読了時間: 3分
物事を深く考える人がいます。普通の人なら考えずに済ませてしまうところを、
「どうしてなのかな」「どういうことかな」
などと深く考える人です。
深く考えるということは、悪いことではありません。むしろいい傾向だと思います。
万有引力を発見したニュートンは、普通の人なら見過ごしていた物体の落下について、
「どうして落ちるのか」
と考えて、万有引力を発見しました。
深く考えることによって、新しい発見や発明がなされます。
そういう人がいてくれて、人類は進化することができたのです。
ただ、時にそれがマイナスの結果をもたらすことがあります。
その一つが、不登校・引きこもりです。
深く考える子供は、学校や勉強、受験、進学などについても、
深く考えます。どうして勉強するのか、勉強する意味は何か。学校に行ってどうなるのか。高校や大学に受験して、その後はどうなるのか。
そこで何らかの答えを自分なりに出すことができれば、特に問題はありません。
問題になるのは、答えを出せない時です。
答えを出せないまま、勉強し、学校に行く、ということを、
このタイプの子供たちはできないのです。
「学校に行くことに意味はない」
「勉強することに目的はない」
と考え始め、学校に行くことがだんだん嫌になってきます。
それでも、
「みんな学校に行っているし、自分だけ学校に行かないのはよくない、
学校に行くべきだ」
と自分を納得させようとします。
しかし、いったん学校に行くこと、勉強することに疑問がわいたら、
自分をごまかしてとりあえず学校に行き、勉強することは
できないのです。
心の中で葛藤が続き、その葛藤が一定のレベルを超えたとき、
不登校や引きこもりが起きてしまうのです。
そうした子供たちに、学校や家で、勉強する目的や学校に行く意味を、
きちんと伝えているのでしたら、
不登校や引きこもりになることは防ぐことができるでしょう。
しかし、大人の中で、勉強する目的や、学校に行く意味を、
自分なりにはっきりとつかんでいて、それを子供に説明することができる人が
どれぐらいいるでしょうか。
「いい生活のため」
「学歴を得るため」
という答えでは、深く考える子供を納得させることはできません。
このタイプの不登校・引きこもりの対応が難しいのは、
一種の人生相談になるからです。
ある精神科医が本の中で、
「統合失調症などの精神疾患の方が対応は難しくない。
最も難しいのは、人生相談だ」
と書いていたのを読んで、深く心に残りました。
人生相談になると、相談を受ける側の人生観や哲学が問われます。
明確な人生観や哲学を持っていたら、子供に向けた言葉に影響力が出て、
子供たちの疑問を解消することができます。
しかし、なかなかうまくいかないため、
不登校や引きこもりの期間が長くなってしまうのです。
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