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深く考える子が、不登校・引きこもりになる理由


物事を深く考える人がいます。普通の人なら考えずに済ませてしまうところを、

「どうしてなのかな」「どういうことかな」

などと深く考える人です。

深く考えるということは、悪いことではありません。むしろいい傾向だと思います。

万有引力を発見したニュートンは、普通の人なら見過ごしていた物体の落下について、

「どうして落ちるのか」

と考えて、万有引力を発見しました。

深く考えることによって、新しい発見や発明がなされます。

そういう人がいてくれて、人類は進化することができたのです。

ただ、時にそれがマイナスの結果をもたらすことがあります。

その一つが、不登校・引きこもりです。

深く考える子供は、学校や勉強、受験、進学などについても、

深く考えます。どうして勉強するのか、勉強する意味は何か。学校に行ってどうなるのか。高校や大学に受験して、その後はどうなるのか。

そこで何らかの答えを自分なりに出すことができれば、特に問題はありません。

問題になるのは、答えを出せない時です。

答えを出せないまま、勉強し、学校に行く、ということを、

このタイプの子供たちはできないのです。

「学校に行くことに意味はない」

「勉強することに目的はない」

と考え始め、学校に行くことがだんだん嫌になってきます。

それでも、

「みんな学校に行っているし、自分だけ学校に行かないのはよくない、

学校に行くべきだ」

と自分を納得させようとします。

しかし、いったん学校に行くこと、勉強することに疑問がわいたら、

自分をごまかしてとりあえず学校に行き、勉強することは

できないのです。

心の中で葛藤が続き、その葛藤が一定のレベルを超えたとき、

不登校や引きこもりが起きてしまうのです。

そうした子供たちに、学校や家で、勉強する目的や学校に行く意味を、

きちんと伝えているのでしたら、

不登校や引きこもりになることは防ぐことができるでしょう。

しかし、大人の中で、勉強する目的や、学校に行く意味を、

自分なりにはっきりとつかんでいて、それを子供に説明することができる人が

どれぐらいいるでしょうか。

「いい生活のため」

「学歴を得るため」

という答えでは、深く考える子供を納得させることはできません。

このタイプの不登校・引きこもりの対応が難しいのは、

一種の人生相談になるからです。

ある精神科医が本の中で、

「統合失調症などの精神疾患の方が対応は難しくない。

最も難しいのは、人生相談だ」

と書いていたのを読んで、深く心に残りました。

人生相談になると、相談を受ける側の人生観や哲学が問われます。

明確な人生観や哲学を持っていたら、子供に向けた言葉に影響力が出て、

子供たちの疑問を解消することができます。

しかし、なかなかうまくいかないため、

不登校や引きこもりの期間が長くなってしまうのです。


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