不登校について詳しく調べておられる方は、一般的に、不登校の状況が「混乱期」→「安定期」→「転換期」→「回復期」と変わっていくことをご存知だと思います。今回のブログは、親子が衝突して混乱する「混乱期」から、親子とも一応、不登校の状況を受け入れて安定している「安定期」について書いていきます。
この「安定期」は、不登校のすべての状況の中で一番長いです。混乱が収まって、「学校に戻ってみようかな」「フリースクールに行ってみようかな」と、外の世界に関心を持ち始める「転換期」までの間が、基本的には「安定期」になります。ですので、数カ月、あるいは1年以上続くことがあります。
したがって、この「安定期」は、子供によっては「安定期前半」と「安定期後半」に分けた方がいい場合があります。そのように分けることができるのは、子供の様子が前半と後半とで異なるからであり、子供の様子が異なるのは、子供の心の状態が異なるからです。
安定期前半における、子供たちの様子は、表面的には安定しているものの、「元気がない」です。一日中ゲームに熱中し、昼夜逆転の生活になっていて、あまり周囲の人とは話さないことが多いです。勉強や学校のことなどは話すことはなく、将来のことについて聞かれても、話そうとはしないでしょう。
このような様子になるのは、安定期前半において、子供たちの心の状態は、
エネルギーがない
そっとしてほしい
強い自己否定感がある
将来に対して絶望し、考えたくない。時には消え去りたいと思う
となっているからです。表面上は安定しているものの、心の中まで安定しているわけではなく、マイナスの思いが渦巻いています。
よって、安定期前半における、子供へのコミュニケーションは、こうした心の状態が変わっていくように支えてあげることです。エネルギーがないのであれば、エネルギーがたまっていくよう、安心できる環境を整えることです。そっとしてほしいと願っているのでしたら、静かに見守ることです。強い自己否定感があるのでしたら、長所を伝えるなどして、自己否定感を軽くしてあげることです。将来に対して絶望しているのでしたら、人間は、自分の人生を創造していけることを伝えることです。
非常に簡単に書きましたが、これらはとても難しいことです。自己否定感を軽くすること一つとってみても、さまざまな言葉を駆使して、子供たちとコミュニケーションをとる必要があります。ただ、この段階のコミュニケーションの、おおまかな方向性はこのようになります。
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