わが子が長年の不登校になっていて、その状況は変えられないとあきらめかけてしまっているお母様が、もしかしたらおられるかもしれません。何をやってもだめだった、あれこれコミュニケーションをとっても、状況は変わらなかった、だからもうあきらめてしまったという方もおられるでしょう。
しかし、お母様があきらめていたら、おそらく状況はそのまま変わりません。長い間不登校になっていたわが子が、自力でその状況から脱出するのは難しいことです。不登校の期間が長くなるほど、心の中の葛藤が大きくなります。子供自身のあきらめの気持ちも大きくなります。不登校の状況にいて、自力でその状況から脱出できる力を持っているのであれば、そんなに長く不登校の状況にあることはなく、それまでに自力で脱出できたはずです。子供には外部からの助けが必要です。
不登校を解決しようと願うのであれば、やはり身近にいるお母様が、解決しようと動くべきでしょう。そのためには、二つのことをお願いしています。それは、お母様が心を変えることであり、もう一つが外の世界と交流することです。それら二つのことが、長年の不登校の解決のための出発となります。
お母様が心を変えるとは、不登校の解決をあきらめている心から、解決しようと願う心に変えることです。人の心は、近くにいる者同士が影響しあうという特徴があります。みなさんにも、こんな経験はありませんか。明るい人のそばに行くと自分も明るくなり、暗い人のそばに行くと自分も暗くなるという経験です。積極的で前向きな人のそばに行くと、何となく自分も元気になります。逆に、消極的で後ろ向きな人のそばに行くと、自分も元気がなくなっていくのは、心が他人の心に影響を与えているからです。たびたびブログで取り上げている、心の創造力の一つです。周囲の環境に影響を与える心の創造力が、他人の心にも及んでいるので、このようなことが起こるのです。
そこで、長年の不登校の状況の中で、「もうこの状況から脱出できない」とあきらめているわが子の心を変えるために、そばにいるお母様が「必ず脱出できる、不登校は解決できる」と決意することが重要です。かなり強い決意が必要です。
というのは、お母様自身の心もある程度の期間、「解決はあきらめた」という状態になっていた場合、「解決できる」と決意しても、心があきらめた状態に戻ってしまうからです。また、そばにいるわが子の心は「もう脱出できない」というあきらめの状態ですので、その心の影響を受けて、お母様の心が「やっぱり解決できない」という状態になりがちだからです。強い強い決意が必要です。
もう一つの、お母様がとるべき行動、すなわち「外部の世界と交流する」とは、不登校の解決を支援する人々や、そのことで悩んでいる親のグループ等、家庭の外にいる人々の交流のことです。
長年の不登校の状態にあるご家族の中には、外の世界との交流を断っている方がおられます。この状態では、ご家族が暗くなってしまいます。また、解決のための知識や経験が、なかなか得られません。また、わが子の不登校を隠そうとするので、お母様が心の中にある悩みを打ち明けられず、暗く沈んでしまうということにもなります。
しかし、外の世界との交流があれば、お母様は相談して、悩みを打ち明けることができます。解決のための知識や経験も得ることができます。それらは、お子様へのコミュニケーションにとって大きなプラスになるでしょう。どのように接すればいいのか、どういう言葉をかけてあげればいいのか、明らかになるからです。また、「不登校の親御さんを支えよう」という人々との触れ合いは、ともすれば落ち込みがちなお母様の心を明るくしてくれます。
長年の不登校を解決するには、時間もかかり、いろいろなことが必要ですが、まずこの二つのことを、心がけてみてください。
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