不登校の子供の多くが、高い感受性を持っています。このこと自体、素晴らしいことだと思います。
最近、ある組織の人事異動がありました。前にいた組織の長は、仕事はよくできて明るいタイプだったのですが、他人の気持ちがあまり分からない人でした。気持ちを踏みにじるとか、そういうことはしない人だったのです。しかし、他人の悲しみや苦しみが分からない面があり、組織の活動を盛り上げることは得意でしたが、悲しみや苦しみなどを相談する相手としては物足りなかったようです。
一方、新しく赴任してきた組織の長は、前の長より穏やかな人柄で、精神性を感じさせる方です。そのため、細かい心のひだが分かり、その組織のメンバーからいろいろ相談事を持ちかけられています。
高い感受性を持っている人は、他人の心をよく知ることができるので、後者の組織の長のように、人から相談を受け、人から慕われます。不登校の子も、自己否定感を低くして、心の中のマイナスの思いを小さくして行ければ、そうなる可能性は高いと思います。
ただ、子供時代は、高い感受性によって苦しむことがあります。それが不登校のきっかけとになることがあります。いじめとかのレベルではないけれども、他人の言動が嫌になって、人間関係で不登校になることがあります。高い感受性ゆえに、他人の言動が気になってしまうのです。
おそらく、こういう高い感受性の子供は、自分に投げかけられた、他人からの言動を、何度も思い出しているはずです。嫌な気持ちにさせられた、他人の言動を、後で何度も自分の中で繰り返してしまって、その時の嫌な気持ちをそのたびに思い出し、自分で自分の心を不安定にしてしまっているはずです。
他人を嫌な気持ちにさせる言動を発する人は、あまり精神性が高くなく、場合によっては善悪の基準さえ十分に持っていない人でしょう。残念な人です。しかし、そういう残念な人はどこにでもいて、そういう人との出会いはなかなか避けがたいです。もし、高い感受性を持っていて、そういう人の言動によって嫌な気持ちにさせられるままでしたら、行動範囲が狭くなってしまいます。
他人の言動を、どう受け止めるかは、受ける人に任されています。自分にとってあまり好ましくない言動でしたら、さっさと流してしまった方がいいのでしょう。何度も思い返すことで、そのたびに嫌な気持ちになってしまうのは、人生がもったいないです。
たびたびブログで書いてきましたが、人は、自分の心をコントロールできます。そうした力があります。その力を使って、嫌な言動を流していくことになります。
では、どうすればいいか、ですが、やり方は単純です。思い出そうとしたら、心を切り替えて別のことを考えるのです。その繰り返しです。体を鍛えると強くなっていくように、心もまた鍛えると強くなっていきます。
そのようにして、流す力を高めることで、高い感受性によって他人の気持ちがよくわかる、素晴らしい気質を持ちながら、他人の言動に左右されないという、いいとこ取りの個性が出来上がっていきます。
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