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不登校カウンセリングブログその1045.「自助努力」。不登校などの苦しい環境だからこそ、この「自助努力」の精神によって、その環境を変えてください。

更新日:2022年11月4日


 苦しい世の中です。コロナウイルスによる感染の拡大は収まる気配はなく、また異常気象もしばしば起こっていて、それらによって私たちの生活は影響を受けています。


 この前、久しぶりにマクドナルドに行ったのですが、入り口のドアのところに、「ポテトの原材料であるジャガイモを北米から輸入しているのですが、物流の遅れでポテトのサイズはSサイズのみとさせていただきます」という張り紙がありました。これはしばらく前のことですので、現在の状況については、マクドナルドに直接、問い合わせいただきたいのですが、世の中のあちこちで影響を受けている一つの例です。


 このような世の中になるとどうしても、「助けてほしい」「支えてほしい」という気持ちになってしまいます。人は、助け合いや支え合いができる存在ですので、そのように困っている人がいたら、手を差し伸べることは大切なことであり、尊いことだとは思います。


 ただ、同時に、自分でやれることは自分でやる「自助努力」の精神もまた、大切なことだと思うのです。困っていて、苦しい環境の中にあっては、自分にやれることは少ないかもしれません。そういう環境では努力できる余地がそもそも少なくて、そういう言葉を聞くと「そんなことはできない」と反論する方もおられると思いますが、それでも、その苦しい環境の中で、何か自分にやれることはないか、自分にできる努力はないか、考えていただいて、自分でやれることは自分でやっていく「自助努力」の精神を持っていただきたいと思います。


 不登校の状況にある子供は、今置かれている環境が辛く、苦しいものに見えているでしょう。そして、その心の状態によっては、とても何かやる気になれず、努力などできない状況にあることもあるでしょう。それは分かります。不登校のご家族と接してきて、不登校直後や、不登校になってからしばらくの間は、心の傷が深かったり、エネルギー切れを起こしていたりして、その環境で何かをやれたとしても、何もできない心の状態になっていることがあるのは、承知しています。


 ただ、そういう心の状態がおさまり、心の傷が癒されて、エネルギーが満ちてきたら、その環境の中で、「今の自分に何かやれることはないか」と探し、「自助努力」の精神をもって、前に進んでいっていただきたいと願っています。


 ご家族をはじめ、周りの人は不登校の状況にある子供のために、一生懸命になるでしょう。その子がその状況から脱出できるよう、できるだけのことをしようとするでしょう。ただ、子供自身が「自助努力」の精神をもって、自分にできることをやっていかない限り、不登校の状況から脱出することは難しいのです。


 では、いったい何が、不登校の状況にある子供にできることでしょうか。子供が自分でやるべきこととは、いったい何でしょうか。


 まず、「この不登校の状況から脱出しよう」と決意することでしょう。この決意は、周りから励まされるなどの影響も受けますが、基本的には自分でやる必要のあることです。そして、このように決意するからこそ、具体的な努力を重ねていくことができます。


 私はしばしば、人には「心の創造力」があることを申し上げてきました。これは、心に描いたビジョンの方向に、周りの環境や人生を創造していく力です。いかなる人であろうと、この力を持っています。もちろん、能力の違いもありますので、描いたビジョンの100%が実現されるわけではありません。ただ、その方向に人生が進んでいくのは間違いありません。


 「不登校の状況から脱出しよう」と決意することは、この「心の創造力」を発揮することであり、不登校の子にはまずこの力を発揮していただきたいのです。


 そして、不登校の状況から脱出するための、具体的な行動をしていただくことが、次に自分でやれることです。


 体力がたいてい落ちているはずですので、無理しないように体を少しずつ鍛えていくということがあるでしょう。体が疲れやすいと、人間は弱気になります。みんなそういう傾向にあります。不登校の状況の中で、軽めのストレッチや散歩など、負担にならないことからやり始め、体が慣れてきたら徐々に負荷を大きくして、不登校になる前の体力を、そして可能であればもっと体を強くしていけば、再び外の世界に出てまた何か、苦しいことがあっても、体力的に跳ね返すことができます。


 将来、こうなりたい、こうしたいという志を持つことも、不登校の子供が自分でやれることです。この志は、何らかの努力を継続するための原動力になります。本を読んだり、ネットの動画などを見たりして、興味関心を感じることがあったら、そこに志が埋まっている可能性があります。志を探すことは、この環境の中でできることです。


 あとは、オーソドックスに勉強です。学力が落ちているはずですから、再び外の世界に出ていくためには、落ちている学力を、少しでも取り戻す必要があります。これも、不登校の環境の中でできることでしょう。


 こうして自助努力の精神によって、自分にできることを少しずつ、少しずつ重ねていったら、確実に不登校の状況から脱出することができます。






 

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