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不登校カウンセリングブログその1047.わが子の不登校の状況が苦しい場合、「その状況には必ず終わりがくる」ことと、「失敗に見える状況は、次なる成功のきっかけかもしれない」ことを考えてみてください

更新日:2022年11月4日

 

 ツイッターやブログを拝見していて、わが子の不登校の状況を受け入れ、心が安定している親御さんはやはり多くはなく、みなさん悩み、苦しんでおられることを実感します。


 そもそも、ツイッターやブログで、わが子の不登校のことを発信される親御さんは、まだ不登校の状況が解決していないはずです。心が苦しいはずです。解決しておらず、苦しいからこそ、ツイッターやブログで積極的に発信されるのでしょう。不登校の状況が解決し、心が穏やかになった親御さんの大部分が、不登校についての発信はなさらないはずです。


 不登校の状況は、一般的にある程度の時間、継続します。そのために、不登校の状況が解決するまで、親御さんの苦しみが続くと考えたら、なかなか辛いものがあります。そこで、不登校の状況が解決するまでに、親御さんの苦しみを軽くする方法が必要です。


 親御さんが、わが子の不登校で苦しい理由の一つは、「この状況がいったいいつまで続くのだろうか」と、先が見えないことではないでしょうか。受験の苦しみであれば、受験シーズンがありますので、いつになったら終わるかがはっきりしています。もちろん、浪人するということもありますが、それでも終わりが来るのははっきりしています。


 不登校に関しては、いつになったら終わりになるか本当に分かりません。短い人は数カ月で終わりますが、長いと1年、あるいはもっとかかることもあります。親が自分だけで努力して終わることであれば、終わりがいつになるかもっと明確になりますが、子供が主体ですので、本当に終わりが分からないのです。それゆえに、「本当に終わりが来るのか」という先の見えない不安から、苦しさをより強く感じてしまうのです。


 そこで、「この不登校の状況は必ず終わる、この状況には必ず終わりが来る」と確信してください。現実にそうです。それがいつになるかは、先ほども述べましたように、分かりません。分かりませんが、その状況に終わりが来ることは確実なのです。


 不登校の状況が終わらない時というのは、不登校がそのまま長期化して、引きこもりになる場合です。この場合は、親も子供もともに、不登校の状況を変えていくのをあきらめてしまった場合です。その場合は、終わりが来ないですが、逆に言えば、あきらめなければ終わりが来るということなのです。


 不登校の状況に終わりが来るという確信は、つまり状況をあきらめていないということです。確信するということは、不登校の状況を変えるための強い原動力になります。そして、確信していたら、「今は不登校の状況だけれども、大丈夫、必ず終わる」という気持ちになれますので、先が見えないことの苦しみを和らげることができます。


 もう一つ、不登校の状況に伴う苦しみを和らげる方法が、「この、失敗に見える不登校の状況が、次なる成功のきっかけになるのではないか」と考えることです。一般に、不登校の状況は失敗に見えます。自分が置かれている状況が、失敗に見えると、やはり苦しみを感じてしまいます。


 しかし、本当に不登校の状況は、失敗なのでしょうか。そこには失敗しかないのでしょうか。失敗に見える状況は、もうそれだけでだめなのでしょうか。


 私は、そのようなことはないと考えております。失敗することは確かに苦しいですし、成功する方がいいに決まっています。成功することを望みます。ただ、失敗することを避けることは難しく、失敗しないように生きるのは不可能です。そうであれば、失敗に見える状況に、何か自分が得られるものを見出し、それを得ることで、次なる成功のきっかけにしてしまえば、失敗しても次につながるきっかけだと考えることができます。その結果、失敗することへの恐れも、失敗することに伴う苦しみも、軽くすることができるのではないでしょうか。


 失敗の状況に立たされて、ほぼすべての人が「しまった」と感じますし、「これで終わった」と思います。「自分はダメな人間だ」という自己否定感を抱きます。


 しかし、そのような思いをおさえていって、「この状況から何か得られるものはないか」と考えることはできます。苦しい時は、そこに絶望しか見えませんが、その苦しい気持ちをおさえて、そのように考えると、見えなかったものが見えてくるようになります。それが、次なる成功のための種です。


 不登校の状況であれば、一人で考える環境でもあります。自分を静かに見つめる環境です。その環境で過ごすことによって、自分を見つめる習慣ができます。


 この習慣は、地味で目立ちませんが、大きな力となりえます。失敗をする背景の一つに、自分の力量が分かっていないということがあります。もし、「自分の力量はどの程度か」ということが分かれば、そういう失敗を避けられます。その場合、自分を静かに見つめる習慣が、効いてきます。


 不登校という、失敗に見える状況の中で耐えたことも、その後の人生の大きな糧になるでしょう。不登校の状況から脱出して、それ以降の人生の中で、おそらく何度か、失敗は訪れます。その時に、失敗の状況を耐えたという経験を経ていたら、何度か来る失敗をより忍耐しやすくなります。


 もし、人間関係がうまくいかなくて不登校になったのでしたら、どうして人間関係がうまくいかなかったのだろうか、もっとうまくやれないだろうかと考えるきっかけにもなります。そして、何か自分に問題を見出せば、そこをあらためることで、次はもっと人間関係をうまくやれる可能性が出てきます。


 これは、親御さんにとっても全く同じことが言えます。わが子が不登校という状況が、失敗だけではなく、もっと次なる成功のきっかけにならないだろうかと考えることができます。不登校の状況が、子供にとっても親にとっても、成功のきっかけになりうると考えることができたら、その状況に伴う苦しみを和らげることができるのではないでしょうか。






 



  


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