不登校カウンセリングブログその1073.学校制度を、現行の「集団形式の学校」、「少人数学校」、「ホームスクール」と選択できるように変えれば、不登校はゼロになります。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年3月16日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年10月23日

不登校になっている子供の数はなかなか減りません。減るどころか、増えています。最新のデータでは、不登校になっている子供の人数は、全国で19万人にものぼっています。これだけの子供たちが、学ぶ機会を失っているわけで、何とかしなくてはならない状況です。
良くないことではあるのですが、いじめなどのように、学校に何か問題があるのでしたら、不登校を無くすのはある意味、単純です。学校が抱えている問題を、無くしていけばいいのです。簡単ではありません。単純ということです。
しかし、不登校の解決が難しいのは、そのように学校に問題があるわけではなく、また家庭に問題があるわけでもないのに、不登校が起こっているようなケースです。こうしたケースがあるために、不登校の解決が難しいのです。
これは私の推測になりますし、明確な証拠があるわけではありません。ただ、これだけ不登校になっている子供が増えているのは、日本が物質的に豊かになって、「子供が多様化している」のに、学校制度は相変わらず単一メニューしかないからだと推測しています。
昭和30年代から40年代あたりの、子供の様子を古いニュースなどで見ることがあります。それを見て感じるのは、高度経済成長とはいえ、昭和の終わりから平成、そして令和と比較して、まだ豊かではなく、どの子も同じに見える、ということです。あまり個人差がないように見えるのです。
遊び一つとってもそうです。空き地があちこちにあり、公園で遊ぶのもたいていのことは自由な時代、ゲームはもちろんなく、習い事をしている子もほとんどいない時代は、外でみんなで遊ぶことしか、選択肢がありませんでした。そのため、下は幼稚園の子供から、上は小学校高学年から中学生ぐらいまで、一緒になって遊んでいました。そうする他、遊びの選択肢がなかったのです。
しかし、日本が豊かになっていき、ゲームや習い事などを選択できるようになると、遊びが多様化していきます。今も、公園などでは子供を見かけますので、昔のような遊び方をしている子はいるのでしょうが、その一方でゲームに熱中していたり、あるいは習い事や趣味に没頭していたりする子もいて、多様化が進んでいます。
遊びの例を挙げましたが、社会が豊かになり、それだけ選択肢が増えると、子供の好みや嗜好、個性も多様になってきます。そうなると、人間関係も多様化してくるでしょう。大人数を好む子もいれば、あまり大人数ではない、少人数を好む子もいるでしょうし、一人がいいという子も出てきます。
そのように、子供たちは多様化してきたのに、学校制度は相変わらずです。多人数を相手にした一斉教育です。それでは、どうしても「学校が合わない」という子が出てきても、仕方がないでしょう。現行の学校制度では、大人数でも特に大丈夫、という子供しか通い続けることができないのです。少人数でないとだめ、あるいは一人でいる方がいいという子供は、どうしても不登校という形ではじかれてしまいます。
そこで、不登校になる子供を減らすために、今の学校制度に、少人数制学校やホームスクーリング制度を取り入れるべきでしょう。
一クラスが10人程度の少人数制学校であれば、大人数の中で生活することは苦手だという子供も、十分通えるでしょう。田舎の分校のような感じの学校です。こうした少人数制の学校を取り入れると、その分、学校行政の財政支出は増えるかもしれません。ただ、少人数制でなければならないという子供は、大人数でも大丈夫という子供よりも確実に少ないでしょう。
令和元年で、全国の中学校の数が10222校、生徒数が321万人です。少人数の学校でなければ通えないという子が、生徒数の1%とすると、3万人となります。一クラス10人で三学年分が30人、全国で1000校が少人数制学校となりますので、極めて単純計算ですが、中学校のための財政支出は現在の10%増という試算になります。子供が不登校になっているために、それに伴う出費の大部分を家庭で負担しています。その負担分が、少人数制学校で減ることを考えると、それぐらいの財政支出の増加は許容範囲でしょうか。財政面はまたどなたかに精査していただきたいのですが、不登校がなくなることを考えれば、決して財政支出の大幅な負担とは考えられないでしょう。
家庭での学習を、単位と認定するホームスクーリングの制度は、海外では既に導入されています。学校に行くのがどうしてもいやだという子供には、最適の制度です。きちんと制度化して、「実際に勉強しているか、学力が身についているか」ということをチェックするようにすれば、問題は抑えられるでしょう。
日本の学校制度は、海外よりも画一的な部分があり、それが不登校の増加をもたらしている面があると考えられますので、海外のようにいくつかの選択肢を子供が選べるよう、学校制度を変える時期だと考えています。
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