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不登校カウンセリングブログその1075.不登校の子供の心を「理解する」ことと、「共感する」ことの違い。

更新日:2022年10月22日




 不登校の状況を解決するには、子供の心が重要なカギとなります。子供の心の中に、何らかの悩みや苦しみがあって、不登校となっているのですから、心の状態とその中にある悩みや苦しみをよく見ることが、不登校の解決において大切なこととなります。


 そして、子供の心を「理解する」ことと、「共感する」ことの違いがあり、その違いに注意して、子供とコミュニケーションをとることが必要だと考えています。


 わが子が不登校になって、まずやっていただきたいことは、子供の心を「理解する」ことです。最初は、「どうして不登校になったのか」「不登校の状況にある子供の心はどのような状態なのか」ということが分かりません。それらが分からないと、子供に対して何をしてあげればいいか、方向がはっきりしないからです。子供の心にはどういう悩みがあるのか、何のことでどのように苦しんでいるのか、そうした心の状態が明らかになることで、子供とのコミュニケーションにおいて、かけてあげるべき言葉が具体的になります。そのための「理解」です。

 

 不登校になった原因を「理解する」ことができればいいのですが、子供が明らかにしたがらないことがあります。あるいは、子供自身が分かっていないことがあります。そういう場合は、原因は後回しにして、今の子供が何に苦しんでいるか、悩んでいるか、あるいは疑問を抱いているか、その心を理解することが先決です。


 不登校の子供によって、その悩みや苦しみ、疑問は違ってきます。そこが、不登校の子供と接する場合の難しさです。子供一人一人、心の状態が違う、心の中にある思いが違うのです。


 とはいえ、ある程度の分類は可能です。これまで不登校のご家族と接してきて、子供たちの悩み・苦しみ・疑問を大まかに分類すると、


 自分自身、人間関係(友達・先生)、勉強、将来のこと


となるでしょうか。


 「自分自身」についての悩み等は、思春期に入っていく子供、あるいは思春期真っただ中の子供には、特に多く見られるかもしれません。自分とは何者か、ということを強く意識しだすのですが、まだ何者でもない自分を見つめることで、劣等感を抱き、不登校になることがあります。あるいは、短所の方ばかり目が行ってしまって、不登校になることもあります。他人と比較してそうなることもあります。


 人間関係での悩みは多いように感じています。いじめは犯罪なので、ここでは除外します。どうも他人とうまく接することができないことに気づき、自分はだめだと落ち込んでしまって、不登校になることがあります。他人に自分を合わせすぎて、自分がなくなるような思いがして、それで自分のことが嫌になり、不登校になることもあります。


 勉強の悩みもしばしば聞きます。勉強が苦手だ、つまらない、何のためにやるのか分からない、という悩みなどは、勉強ができるできないに限らず、不登校の子供が持っているケースは多いです。


 将来についての悩みもよくあります。思春期の中にあって、将来の進路を考えていかなければならない段階にある子供が、将来のことを意識しだします。その結果、将来への不安を抱くことで、不登校になることがあります。


 大まかに分類しましたが、これらの悩みはもっと細かくなっていきます。そのプロセスが「理解する」ことです。



 もう一つの「共感する」ことは、「理解する」ことの次に必要なことです。「共感する」ことは、そうして理解した子供の悩みや苦しみに寄り添うことです。「辛かったんだろうな」「苦しかったんだろうな」と、その気持ちに寄り添うことです。「理解する」ことは、子供が抱えている悩みや苦しみの内容を、より具体的にすることであり、理性的・知性的なアプローチと言えますが、この「共感する」ことは、その悩みや苦しみに寄り添うことであり、感情的あるいは感性的なアプローチと言えます。


 「共感する」ことが必要な理由は、子供の悩みや苦しみがどれだけ子供にとって辛いものだったか、肌感覚でつかんでいないと、子供とのコミュニケーションにおいて、子供の心を動かす言葉をかけることが難しいからです。「理解する」段階で止まって、そこから言葉をかけたとしても、その言葉に感情がこもりにくいのです。


 人の心が動くのは、正論ではありません。感情です。感情の部分で、人の心は動きます。子供であれば、もっとその傾向が強くなります。子供の心を動かすための「共感」です。


 「理解する」ことも「共感する」ことも、ともに大事なことであり、不登校の解決には必要なことです。








 


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