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不登校カウンセリングブログその1082.「生きる希望がない」という不登校の子供に、どうやって「生きる希望」を伝えればいいのでしょうか?

更新日:2022年10月22日


 「生きる希望がない」という不登校の子供は多いです。そもそも、不登校の状況の中にあって、「生きる希望」を持っている子供は、あまりいないでしょう。同い年の子供たちが学校に行っているのに、自分は学校に行っていないという状況自体が、子供に希望を失わせてしまいます。「生きる希望がない」という子供に、どうやって「生きる希望」を伝えればいいのでしょうか。


 まず、「生きる希望がない」という子供の心の状態を、可能であればもっと深く掘り下げていただきたいです。子供とのコミュニケーションを重ねて、「生きる希望がない」とはどういうことか、子供の心をもっと詳しく掘り下げてください。


 多くの子供たちに共通することですが、「自分はダメだ」という自己否定感から、「生きる希望がない」となっていることがあります。「自分はダメだ」と思っていたら、生きる希望を失ってしまうのは、当然のことでしょう。


 そういう自己否定感があるのでしたら、生きる希望を持たせるためにはまず、「自分はダメだ」という自己否定感をなくすよう働きかける必要があります。そうなると今度は、「どういう自己否定感を持っているのか」「何をきっかけにして自己否定感を持つようになったのか」ということを、さらに深く掘り下げていく必要が出てきます。


 「自分はダメだ」という自己否定感を解消することは、容易ではありません。しかし、それをやらないと、生きる希望を持たせることは困難です。自己否定感を解消するよう働きかけないまま、生きる希望を持たせようとすることは、前に進めない子供の背中を無理やり押すようなことです。


 では、自己否定感を軽くした場合、あるいは自己否定感がそんなに強くなかった場合、「生きる希望」を持たせるにはどうすればいいのでしょうか。この場合、自己否定感以外の理由で「生きる希望」が持てなくなっているので、その理由を探る必要があります。


 「生きる目的が分からない」ために、「生きる希望」が持てないということがあります。この場合は、「生きる目的」を伝えていくことになりますが、これも難しいことです。伝える側の人生観や人生哲学が問われる問題です。


 「あなたは何のために生きているのでしょうか?」と問われて、すぐに答えるのは難しいでしょう。たとえ答えられたとしても、答えは一つとは限りません。答えたとしても、子供を納得させるかどうかは分からないのです。


 私の場合は、不登校カウンセリングでは、「いいことも悪いことも含め、さまざまな経験を経て、最終的には志を実現して幸福感を感じること」と伝えています。人は、何らかの目的をもって生まれてきていると思うのです。その目的を、別の言葉で表現すると「志」です。


 「志」というとおおげさに聞こえるかもしれませんが、「わが子が、自分の幸福を実現する力を身につけるようしっかり育てる」というようなことも「志」です。人は、「こうしたい」「こうなりたい」ということを実現した時、幸福感を感じることができると思うのです。そのため、「志の実現」を生きる目的に含めました。


 また、生きていて、いろいろな物事が起きます。いいことも悪いことも含めて、いろいろなことが起きます。いいことだけが起きればいいのですが、たいてい悪いことや好ましくないことも起きるのが人生です。悪いことや好ましくないことからも、人は何らかのことを学び、次の成功の種を引き出すことができると思うのです。そうして経験を重ねる中で成長し、志を実現する力を身につけていく、それによって志を実現していくということが、「生きる目的」だと考えて、カウンセリングでお伝えしています。


 「志なんて見つからない」という場合は、「求めること」です。黙っていても、志は見つかりません。「自分がやりたいことは何だろうか」と考えながら、学び、経験していく中で、志は見つかっていきます。本当にやりたいことが見つかっていきます。それが生きる希望となっていきます。


 そうしたことを伝える側が、「生きる希望」を持っていることが、不登校の子供に「生きる希望」を伝える条件となります。その希望がないのに、子供に伝えることはできないでしょう。わが子が不登校になっている状態で、「生きる希望は何ですか」と問われて、答えられるようになっていること、とも表現できます。


 不登校になる子供たちは、深く物事を考えますので、「生きる希望」を伝えるのは難しいです。一度や二度、伝えてもすぐには納得しないでしょう。伝える側も「生きる希望は何だろうか」と時々、深く考えながら、子供に根気強く伝えていくということが求められます。








 

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