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不登校カウンセリングブログその1089.不登校の子が、将来やりたいことを見つけられたら、状況はかなりいい方向に向かっています―元気が出てきた段階で、やりたいことを見つけるには―

更新日:2022年10月22日


 不登校の子と接していて、きっと辛いだろうと思う状態の一つに、「やりたいことがない」「やりたいことが見つからない」というものでしょう。やりたいことがある、あるいはやりたいことを見つけようとするには、ある程度、元気が出てきて外に意識が向かっていく状態が必要なのでしょう。


 不登校直後や、不登校後しばらくの状況では、やりたいことを見つけることは難しいです。不登校直後や、不登校後しばらくの間は、まずエネルギーが減ってしまっています。心に深い傷を負ってしまっていることもあります。「自分はダメだ」という自己否定感を抱いていて、自信も失っています。こういう状態では、意識が自分のみに向かっていて、やりたいことを見つけることは難しいです。


 何かがやりたいと思えるには、やはり一定のエネルギーが必要ですし、自分には何かをやれるという自信も必要です。そういう状態になるには、不登校になってしばらく時間が必要でしょう。


 親御さんがよく、何事にもやる気を見せてこない子供に、「何かやりたいことがないの?」と聞くことがありますが、子供にとってはなかなか厳しい質問です。エネルギーが減ってしまって、さらに心にも深い傷を負っている状態では、何事にも関心が持てません。そのような時に、「何かやりたいことがないの?」と聞かれても、何とも答えようがないのです。そのような質問は、もっと後の方が子供にとってはありがたいのです。


 子供に元気が出てきて、家に居る状態で「暇だな」というようになってきたら、エネルギーが少しずつ満ちてきています。その場合、何かやりたいことを見つけられる状況になっている可能性があります。子供自身も、やりたいことをみつけようとしているかもしれませんが、そばにいる親御さんが、やりたいことを見つけるのが容易になるよう、いろいろと材料を用意することもいいと思うのです。


 それは決して、親が自分の希望を子供に押し付けるのではなく、子供の考えを尊重する形で行っていけば、子供が反発するということはないでしょう。


 子供が「何をしたらいいのかな」と迷っている場合は、自分のやりたいことを見つけた人の本やブログなどを探して、興味があったら読んでみてはと勧めると、考える材料が増えて、やりたいことを見つけるのが容易になるでしょう。


 また、親から見て、何か小さなことでもいいのです、子供本人が気づいていない興味・関心を、親が教えてあげることで、考えるとっかかりになるかもしれません。


 子供が、「やりたいことを見つけたいけれども、見つからないな」というように、やりたいことを見つけたいと前向きではあるけれども、見つからないという場合は、少し時間がかかることがあるということを、子供に伝えてあげてください。やりたいことがすぐに見つからないことは、実際にあります。学生時代にはいろいろと学び、社会に出て働く中でさまざまな経験を重ねて、その間、「自分のやりたいことは何だろうか」と考えていくうちに、やりたいことが明確になってくることがあります。あきらめず、探し求めていくという行動が必要なのです。


 子供が既に、やりたいことがある程度明らかなのでしたら、先ほどの場合よりも話をより具体的にしやすいでしょう。子供のやりたいことを、もっと具体的にする方向で、考えるための材料を探して、子供に勧めていけばいいでしょう。


 注意すべき点は、子供のやりたいことを否定しないということです。大人の目、親の目から見て、幼稚なように見えることがあるかもしれませんが、それでいいのです。最初は幼稚なように見えても、時間をかけて練り上げていけば、そこが出発点となります。




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