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不登校カウンセリングブログその1094.不登校の子供が「充電」するだけでは不十分な場合。

更新日:2022年10月22日


 子供が不登校になり、「エネルギーが切れていますから、エネルギーがたまってくるのを待ってください。充電させてください」というアドバイスを受けた、という親御さんはおられるでしょう。無理して学校に行き続けていたので、エネルギーが切れているから、不登校になっているので、不登校の状況から脱出するためにはエネルギーが必要、ということです。


 確かに、充電する必要はあると、私も考えています。不登校になった子供のほとんどがエネルギー切れを起こしていて、そのままでは何も手につかない状態になっています。その状態を改善するためには、まずエネルギーをためていくことが必要です。


 では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。まず家にいて落ち着ける環境を整えておくことが、親ができることでしょう。この段階は、ちょっと親にも忍耐力が求められます。この段階は、ゲームやスマホに熱中し、一見、学校のことなど気にしておらず、楽しいことばかりしているように、表面上は見えるからです。


 そうしているうちに、エネルギーはたまってきますので、家に居るのが暇になってきます。ただ、それで不登校の状況から脱出できるかというと、そうでない場合があります。それは、学校に通っている間に嫌な出来事があって、学校に戻ったり、それ以外の、外の世界に出ていくことにためらいを感じている場合や、不登校になっている間に自己否定感や外に出ていくことへの恐怖感が大きくなってしまった場合です。


 すべての不登校の子供に当てはまることではありませんが、たいてい、不登校になるまでに何らかの出来事があって、学校に通うことが嫌になったり、ためらいを感じたりしています。いじめということもありますし、そこまでいかなくとも人間関係がうまくいかなくなったとか、勉強ができなくて自己否定感を抱いてしまったとか、そういう出来事です。そういう出来事に直面したために、学校に行くことが嫌だとか、意味がない、あるいは楽しくないというふうに感じてしまっているのです。


 この場合、エネルギーがたまってきて、活動エネルギーは満ちてきたとしても、外の世界に出ていくことには抵抗を感じることになります。外の世界に出るのはいいが、また同じようなことが起きたらどうしようという恐怖感があり、外の世界に出ていく決心ができないのです。


 あるいは、恐怖感ではないけれども、外の世界に出ていくことに喜びや希望を感じられない、ということもあります。「勉強してどうなるの?」「何のために生きているの?」というような疑問を抱いているような子が、このような状態になっていることがあります。


 また、不登校になっている間に、自己否定感や外に出ていくことへの恐怖感が大きくなった場合というのは、表現を変えると、「後天的なマイナスの思い」となるでしょう。不登校になるまでは、そういうマイナスの思いはそれほどなかったのに、不登校の状況にいる間に、そのようなマイナスの思いが生じ、大きくなってしまった場合です。


 一部、例外はあると思いますが、不登校の状況にいるということは、子供にとって、自己否定感を増大させる状態に居続けるということでもあります。他の子供たちは普通にできていることが、自分にはできていないという状況は、「自分はダメだ」という自己否定感を増大させます。そのように自己否定感を増大させてしまうと、必然的に、「学校に戻るのは怖い」という恐怖感を抱くことになります。


 不登校のご家族と接してきて、こういう気持ちを抱いてしまったため、エネルギーはある程度戻ってきても、不登校の状況から脱出できなくなっているというケースは多いように感じています。というよりも、大部分のケースがそのような状態になっているようです。


 こういう場合、「見守る」という行為だけでは、不登校の状況を変えるのは不十分です。そのような子供の気持ちを理解し、共感して、何らかの働き掛けが必要です。次回のブログでは、その働き掛けについて書いていきます。






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