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不登校カウンセリングブログその1108.不登校の子供たちにとっての希望。

更新日:2022年10月22日


 不登校の子供たちの多くが、おそらく「希望」を見失っているのではないでしょうか。不登校の子供にとっての希望とは何か、具体的に考えてみたいと思います。


 希望の具体的な内容というと、本当に子供によってさまざまです。不登校に至るまでの過程、学校にいた時の人間関係、自分自身をどうとらえているか、得意なこと、将来にしたいことなど、いろいろな要素が絡み合い、子供一人一人にとっての希望の形が異なります。そのことをふまえつつ、希望を、時間の流れで具体的な形にしてみたいと思います。


 不登校の子供は、ほとんどの場合、「自分はダメだ」という自己否定感を抱いています。そして、希望を抱くには、この自己否定感を取り除く必要があります。「自分はダメだ」と思いつつ、希望を抱くことはできないでしょう。


 つまり、「自分はダメだ」という自己否定感を抱いている子供にとっての希望は、まずこの自己否定感を取り除いていくことになります。これは時間がかかることになります。それは、少しずつ実績を積み、成功体験を積み重ねていく必要があるからです。


 それは時間がかかることですが、最初に踏み出す一歩として、自分自身に対する認識を変える必要があります。「自分は何をやってもダメだ」という思いでは、なかなか最初の一歩を踏み出すことができません。そのため、誰もが持っている「人間の可能性」について、子供たちに伝えるべきでしょう。「人間の可能性」とは、「努力すれば、実力がついていく」ということです。その人が持っている才能や、環境によってついていく実力に差はありますが、何らかのことについて努力すれば、必ず実力はついてきます。それが、「人間の可能性」です。現在の状況がいかなるものであろうと、才能がどうであろうと、誰もが持っているものです。


 誰もが持っているものですので、繰り返しますが、今、不登校の状況にあろうが、学力や体力が落ちていようが、努力していけば必ず実力はついていきます。


 この「人間の可能性」を踏まえれば、これから先、努力すれば自分の望む方向、すなわち希望の方向に進んでいくことができることになります。不登校の子供にとっての希望の方向とは、不登校の状況から脱出することです。この場合の「脱出」には、子供によって変わってくるでしょう。元の学校に戻ること、通信制高校など別の学校に変わること、学校に戻らず家で勉強していき進学していく道を進んでいくこと、いずれもその子供にとっての「不登校の状況からの脱出」になります。それも努力していけば可能です。今の不登校の状況など、たいしたハードルにもなりません。


 もっと先のことを考える余裕が出てきたら、社会に出てからの先の人生において、どう生きたいか、何をしたいかが、その子にとっての希望となります。不登校の現状では、とてもそんなことを考える余裕はないかもしれません。


 しかし、不登校の状況から進み始め、精神的な余裕が出てきたら、これから先、自分が何をしたいか、どうなりたいかを考えることができます。その方向に努力していけば、「人間の可能性」によってその方向に進むことは、すべての人に可能です。自分がやりたいこと、なりたいこととは、すなわち「志」です。


 この「志」を実現するための努力が、だんだんとその人にとっての喜びとなります。最初は「志」の実現を、希望の実現と考えますが、努力していくうちに、努力すること自体が楽しいことであり、ある意味、希望の実現でもあるというふうに、考えが変わっていきます。


 そういうふうに考えが変わっていくと、努力した結果、その志が実現しようと、そうでなかろうと、努力することを続けていくことができます。希望の実現のための努力を、やめることなく続けていくことになります。その努力を続けていけば、希望の地に必ず到達することになると思うのです。






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