不登校カウンセリングブログその1112. 不登校カウンセリングでは、話を聞いてもらうだけではなく、アドバイスを実践することが必要です―カウンセラー依存にならないために―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年4月23日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月22日

「カウンセラー依存」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。これは、何かの問題を抱えている人が、カウンセラーに相談すること自体が目的となり、カウンセリングを受ける本来の目的である、問題の解決がなされなくなっている状況を指す言葉です。幸い、私のお客様の中にはおられませんが、世間一般には、そういうふうになる方がおられるようです。カウンセラーに相談することが目的となり、いつまでたっても問題が解決しない、というような状況がカウンセラー依存です。
カウンセラーは基本的に、うまく聴く技術を持っています。ですので、お客様としては、悩みなどの心の内を聞いてもらうことで、心がすっきりします。カウンセリングの目的の一つとして、心がすっきりすることで、日常生活にいい影響を与えるということがあります。特に不登校のお子様とのコミュニケーションにおいて、いい影響を及ぼすことで、状況を改善するという点では、いいことだと思います。
ただ、それだけが目的となってしまうと、カウンセラー依存になる可能性があります。普段の日常生活で積もっていった悩みを、カウンセラーとの面談で吐き出して楽になり、また日常生活を過ごすうちに悩みが蓄積され、次の面談で悩みを吐き出して楽になる、という状態を続けていき、カウンセラー依存になっていきます。不登校・引きこもりの問題を解決するということよりも、自分の心を楽にするということが、カウンセリングの目的となっていくのです。
そうならないよう、「カウンセリングの目的は、不登校・引きこもりを解決すること。そして、日常生活の中で、アドバイスを実践していき、その成果をカウンセリングにおいてカウンセラーに伝え、以降のアドバイスの参考にしてもらうこと」と意識していただくことが必要です。きちんと実践していただくことで、問題は解決に向かいます。あくまで大事なのは、日常生活です。日常生活でアドバイスを実践していただけないと、何も状況が変わらないのです。
そしてもう一つ、カウンセラー依存を防ぐ方法があります。それは、カウンセラー任せにせず、「自分でできるだけやるべきことをやって解決する」という意識を持っていただくことです。カウンセラーは、相談を受けたらできるだけのことをいたします。プロ意識を持った、責任感を持ったカウンセラーであれば誰でも、「問題を解決しよう」とできるだけの努力をします。
しかし、不登校を解決するのは、まず子供自身であり、次に、その子供のそばにいるご家族です。「子供自身も不登校を解決するのか?」と不思議に思われるかもしれませんが、不登校になっているのは、多くの場合、子供が自分の心の中に何らかの悩みや苦しみを抱えているからです。それを解消していくのはまず子供自身です。子供自身が、自らの心と対峙してそのような悩みや苦しみを解消していかなければなりません。
そして、そばにいるご家族は、子供が自らの悩みや苦しみを解消していくための支えをしていきます。子供の心の状態をよく見て、どういうことを悩んでいるのか、苦しんでいるのかをできるだけ正確につかみ、それをカウンセラーに伝えていただきます。カウンセラーは、ご家族からの情報をもとに、どういうことを子供に働きかけるか考えて、その働きかけ方をご家族にアドバイスします。それを受けて、ご家族は子供に働きかけるのであり、不登校の解決の主体となるのは、子供自身とそばにいるご家族です。カウンセラーはそのサポートしかできないのです。
そのことを意識していただければ、カウンセラー依存になることなく、不登校を解決していくという、本来の目的が成し遂げられていきます。
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