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不登校カウンセリングブログその1150.不登校の子供への共感の難しさ―大人の心や視点では共感は難しいです―

更新日:2022年10月22日


 わが子が不登校になって、どうして不登校になったのか、話を聞いた時、「そんなことで不登校になるのか」と疑問に思ったり、大したことないと思ったりしたことはありませんか。


 不登校のわが子の話を聞く親は、思春期のころからおそらく20年以上は年齢を重ねているはずです。その間、さまざまな経験を経たでしょう。さらにさまざまな知識を得たでしょう。その結果、思春期の頃に比較して、思考力や問題解決能力が高くなっているはずです。


 そのような大人の心や視点で、子供の話を聞くと、どうしても「そんなことで不登校になるのか」と思ってしまうのです。ここに、共感の難しさがあります。大人の心や視点では、子供の悩みや苦しみに共感することが難しいのです。


 不登校カウンセリングで、親御さんから「子供に反発された」というお話をお聞きすることがあります。その何割かが、大人の心や視点のみで子供の話を聞いてしまって、子供の悩みや苦しみへの共感が少なかったという事例です。子供に対して悪気があるのではなく、ないがしろにしているわけでもないのですが、大人の心や視点で子供の話を聞くと、「そんなに大したことではないのではないか」と感じてしまうのです。


 そして、子供を励まそうと、あるいは勇気づけようと、「そんなこと大したことないよ」「大丈夫だよ」と言葉をかけるのですが、子供にとってそのような言葉は、「あなたの苦しみや悩みは、私にとってはあまり大したことがない」というメッセージとなる可能性があります。そうなると、子供は「親は自分の気持ちを分かってくれない」という思いを抱いてしまって、場合によっては親に対して心を閉ざすこともあります。


 そうしたことを防ぐには、子供の悩みや苦しみを共感するため、自分が思春期だったころの心を思い出す必要があります。当時の心を取り戻すことはできませんが、思い出すことは可能でしょう。


 思春期の頃、どうだったでしょうか。大人になってからは悩みそうにないことを、悩んでいたのではないでしょうか。小さなことで、くよくよしていたのではないでしょうか。ずっと後まで、心の傷を残していたのではないでしょうか。


 不登校に至るまで、子供たちが経験した辛いこと、苦しいことに対して、「自分も思春期の頃は、辛い思いをしたな、苦しい思いをしたな」と、思春期だった時の自分のことを思い返して、子供の話に耳を傾けることで、子供たちの辛さや苦しさへの共感の思いが高まってきます。


 例えば、思春期に入りはじめた女の子の場合、周囲の同級生たちとの人間関係に対して、非常に敏感になり、ちょっとしたことで落ち込んだり、孤独感を感じたりしたでしょう。お母様にとっては、大したことはないのかもしれませんが、その年頃の子にとっては、大問題です。「自分も当時はそうだった」と思い返して、話を聞いてあげてください。


 同時に、聞く側の大人には、大人の知識と経験があります。これは子供たちにはまだ備わっていないものです。心の迷路にはまり込んでいる子供たちに、その心に共感しつつ、どうすれば心の

迷路から抜け出せるか、アドバイスすることができます。その結果、子供たちが、自らの辛い気持ちを乗り越え、不登校の状況から早く抜け出すことができます。


 ただ、まず共感することです。順番としては、共感し、「辛かったね」と共感したことを子供に伝えて、それからのアドバイスです。いきなりアドバイスをすると、共感なしのアドバイスになりますので、子供からの反発を招くことがあります。「早く不登校を解決したい」という思いを抑えて、まず共感することから始めてください。





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