今回の内容は、子供が比較的元気がある状態の場合のことです。元気がなく落ち込んでいる場合は、おそらく今回の内容のことを勧めても、まだ実践できないと思いますので、そういう子供はもう少し元気が出てきたら、勧めてみてください。
その内容とは、ブログのタイトルにありますように、不登校の子供が、生きる方向を探しているのでしたら、良書を読むことを勧めてみてください、ということです。「生きる方向を探している」とは、やや抽象的な表現になりますが、「何のために生きているのか」という疑問に答えを出すことや、これからどう生きたいかという方向を見つけること、自分の人生を切り開く力を得ることを含んでいます。それらのことについては、良書を読むことでかなりの部分を解決できると、私は考えています。
この場合の「良書」とは、何でしょうか。日本国内では、一年間に6万冊~7万冊の本が出版されています。それだけ数多く出されている本の中から、「良書」を探すのは難しいです。そこで、昔から読み継がれていて「良書」という評価を得ている、「名著」を選択することが、探す時間と手間が省けていいと思うのです。
「名著」とネット検索すれば、たくさんの「名著」が解説されていますので、その解説を読んで、面白そうな本を読んでみればいいと思いますが、なぜそうした「良書」を読むことが、生きる方向を探している場合にお勧めなのでしょうか。
時代は常に変化していきますし、それに伴って変化していくものもありますが、変化しないものもあります。以前のブログで取り上げましたが、「真・善・美」という価値観は、変化しないものです。変化しないからこそ、大昔に書かれた良書が、現代でも通用するのでしょう。そうした良書には、時代とともに変化しない事柄、すなわち「真理」がちりばめられています。そうした「真理」を、良書を通して学ぶことによって獲得し、それが人生の中で知恵となり、力となるのでしょう。
これからの時代は、もう前例を参考にして生きることは難しい時代です。その中で、不登校の子供たちが生きる方向をしっかりと定め、生き抜いていくには、時代が変化しても変わらない価値観を持ち、それによって「どういう方向に生きるべきか」ということを判断することが必要です。その判断材料を、良書は提供してくれます。
過去、人生の中で輝きを放ち、何かを成し遂げていった人は、刻苦勉励して良書を読んできています。名経営者なども、創業当初はあまり本を読んでいないこともありますが、会社が大きくなるにつれて、もっとたくさんのことを知る必要があると感じて、多数の哲学書や経営書などを読んでいっています。逆にいうと、そういうふうに良書を読まなければ、経営者としての成長が止まってしまって、会社の規模は大きくならないのでしょう。そうした経営者たちは、判断材料をそうした書物に求め、自らの経営判断の材料としたのでしょう。
良書を読み続け、それを自らの価値基準、判断材料とすることができる人は、それほど多くはありません。読書についてのアンケートによると、月に読む本は1冊という人が約半数である事実が、そのことを物語っています。大学に入ってからも、あるいは就職してからも、本を読み続ける習慣を身につけることが必要であり、そうした習慣を身につけて初めて、自らの価値観で判断できる「教養人」となることができます。「教養人」になるためのハードルは、簡単に越えられません。
「教養人」になっているかどうかをチェックする方法は、マスコミの嘘を見抜けるかどうか、です。例えば、現在でしたらロシア対ウクライナの戦争で、マスコミはすべて「ロシア=悪、ウクライナ=善」という構図で報道していますが、これが本当に正しい構図でしょうか。そこに嘘はないでしょうか。このことを書いていくと限りがありませんので、問題提起をするにとどめておきますが、マスコミの嘘を見抜けるかどうかが、教養人であるかどうかのチェックポイントです。
良書を読み続け、自分の血肉にするまでには長い時間がかかります。5年や10年ぐらいはかかるでしょう。しかし、その習慣を続けていったとき、自分で生きる方向を定めて、混乱の時代を生き抜いていく「教養人」に必ずなることができます。
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