不登校カウンセリングブログその1162.人間関係には当たり外れがあります―不登校の子供の、今の苦しみが少しでも和らぐように―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年6月12日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月21日

みなさんにも、おそらくそういうことがあったと思いますが、それまでの人間関係において、当たり外れがあったのではないでしょうか。当たり外れというのは、人間関係がうまくいったことと、うまくいかなかったことです。自分という人間は変わらないのに、なぜか人間関係がうまくいった時期と、行かなかった時期、すなわち、当たりの時期と外れの時期があるのです。
私もありました。小学生や中学生の頃は外れの時期、高校生と大学生の頃は当たりの時期、社会に出て6年ほど商社で働いていたのですが、その時期は外れの時期、それ以降、現在までは当たりの時期という感じで、人間関係が変化してきています。
当たりの時期はいいですが、外れの時期は辛いものがあります。私の場合は、特に中学生の頃がしんどくて、悩むことも多かったです。二度目の外れの時期、社会に出てから6年間は、もう自分もある程度大人でしたし、休日などの空いている時間帯は、本を読んだり、いろいろ調べたりすることに時間を使っていて、人間関係に重きを置いていなかったので、会社の同僚とうまくいかなくても、「独りになりたいし、ちょうどいい」ぐらいにしか思っていなかったです。ただ、中学生の頃はそうもいかず、また友達との人間関係を重視する年頃でもあったので、辛い時期でした。
人間関係が外れの時期は、自分がダメな人間のように感じてしまいます。それが、まだ精神的に未成熟な子供時代であれば、その感じはより強くなります。大人になってからも、周りの人間関係が外れすぎる場合は、「自分はダメだ」という思いは強くなるのかもしれませんが、ある程度、自己確立ができていますので、外れの人間関係に対して耐性があります。
人間関係で悩んでいる不登校の子供には、この「人間関係の当たり外れ」が人生にはつきものであり、外れの時期では辛いだろうけれども、いつか当たりの時期もあること、外れの時期には「自分はダメだ」と思いがちであるけれども、人間関係はそれで終わりではなく、また当たりの時期もやってくるので、あまり深刻に「自分はダメだ」と思わないでほしいこと、などを伝えてあげるべきなのでしょう。
それを伝えたところで、現時点での人間関係の「外れ」感が薄れるわけではありません。辛いものは辛いです。苦しいものは苦しいです。しかし、今はそうであっても、これから先はまた状況も変わり、今感じている辛さや苦しさが、嘘のように消えて、楽しさを感じる状況になることもあります。そういう状況になることもあるのだと、信じることができれば、今の状況に対するとらえ方もまた、変わってくるでしょう。
子供に避けてほしいのは、変わっていく人間関係によって、「自分はダメだ」と自己否定感を持ち、それをずっと持ち続けてしまうことです。そうなってしまうと、人間関係が変化していったのにも関わらず、自分の殻に閉じこもってしまって、いい人間関係を謳歌(おうか)することができなくなってしまいます。冬が去り、暖かくなって春になっても、部屋に閉じこもってしまうようなものです。
人間関係に限らず、生きていて波の上がり下がりはあります。なぜかは分かりませんが、そういう、運のいい時、悪い時、環境のいい時、悪い時というのがやってきます。運の悪い時、環境の悪い時には、そうした悪さに耐えて、できるだけ落ち込まず、自己否定せず、また人生の流れが変わってくるのを待つことも、波の上がり下がりを乗り切るのに必要なことなのでしょう。
人間関係や学校など、周囲の環境をすぐに変えるのは、なかなか難しい面があります。いじめというような犯罪行為であれば、それはすぐに変えてしまうべきですが、それ以外はなかなか難しいです。時間がたつのを待ち、また新しい人間関係となり、そこでは楽しい人間関係になることを期待して、今は耐える時期ということなのでしょう。
Comments