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不登校カウンセリングブログその1164.「暴れる」状態の不登校の子供に、どう接したらいいのでしょうか。

更新日:2022年10月21日


 前回のブログ「不登校ブログその1163.不登校直後の、不安定な心の状態の子供。『元気がない』状態と、『暴れる』状態で、どう接したらいいのでしょうか」を書きましたが、「暴れる」状態について、もう少し詳しく書く必要を感じましたので、その部分を拡大したテーマとしました。


 この場合の「暴れる」状態には、「暴言をぶつけてくる」状態と「暴力をふるう」状態があります。これらの状態が最も、親御さんが辛く感じる状態でしょう。わが子が不登校という状態だけでも辛いのに、わが子が暴れてくるのは、それに輪をかけて辛い状態となります。


 このように「暴れる」状態の子と接すると、親である自分のことを嫌っているのかと考えてしまいます。実際はそうではなく、不登校になってさまざまな思いが子供の心の中に渦巻いていて、それを言語化できず、親、特にお母様にぶつけているのです。


 なぜ、言語化できないのでしょうか。一つには、精神的に未成熟であり、言語化しようとしてもできないということが挙げられるでしょう。大人に近づいていても、まだ大人ではありません。そのため、自分が抱えている思いを言葉にしようとしてもできないのです。


 もう一つは、親に話すことに抵抗を感じていることが、理由として挙げられます。不登校の子供の中には、「親に対して申し訳ない」という気持ちから、自分の考えていること、思っていることを打ち明けられない子供がいます。親に話すことに、恐怖を感じている子さえいます。そのために、自分の心の中の思いを言語化できないのです。


 そうして言語化できない状態のところに、不登校の状況の中で心の思いは強くなっていきます。そのために、子供はだんだんと苦しくなっていきます。その苦しさが限界をこえた時、暴力や暴言という形で、ある意味「言語化」して噴出してくるのです。


 そのことを踏まえたうえで、子供と接する親御さんは、まず、こうした「暴れる」状態を我慢して受け入れなくともよく、特に暴力は絶対に受け入れてはならない、ということです。「暴れる」状態は、言語化できない思いの「言語化」であり、それをもっとスムーズに言語化できれば、子供は言葉で思いを打ち明けます。親が耐えて、受け入れる必要はなく、子供が自らの思いを親に話すよう、子供に働きかけた方が、親の負担は軽くなります。


 それには、決して、子供の不登校を「ダメな状況だ」とか、子供のことを「ダメな子だ」というふうに見なさないことです。そういうふうに見なしていると、子供はそれを敏感に感じ取ります。そうなると、親に話すことへのためらいや恐怖感がますます強くなってしまいます。

 「わが子の不登校を受け入れる」ことができれば、つまり、先ほどのように「ダメな状況だ」とか「ダメな子だ」というふうに思わなければ、子供は親に対して、自分の思いを話すことにためらいや恐怖を感じなくなります。


 あと、暴力はささいなものであっても、「それはだめ。暴力に訴えるなら聞かない」と姿勢を示しておく必要があります。暴力は、ささいなものであっても受け入れると、それがエスカレートしていく危険性があります。ここは最初からしっかり、子供の言葉を聞く側の姿勢として子供に理解させておくべきでしょう。


 また、「暴れる」状態がひどいからといって、子供のことを見放すと、子供の「最後の言語」を親が拒否することになります。その結果、子供は心を閉ざし、不登校がそのまま長期の引きこもりになることがあります。不登校の長期化となりますので、それも避けたい状況です。


 親にとっては、辛い段階ではあります。「暴れる」状態を、一般的な「言語化」の状態にするまでの間、少し時間がかかります。その間、「暴れる」子供に対して働きかけを続けなければならず、辛い段階です。ただ、どこかで「暴れる」という形の言語が、心が落ち着いてきて、一般的な言語に変わっていきます。


 不幸にして、暴力がエスカレートしていて、親の手に負えないような場合は、警察などの第三者の介入も検討すべきです。こうした第三者に介入してもらうことには、親としてはためらいがあるとは思いますが、何かあってからでは遅くなります。





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