UA-139114584-1
top of page

不登校カウンセリングブログその1174.不登校→中卒から、紆余曲折をへて社員に。厳しい道を切り開いたのは、一生懸命働いたことが認められたから。

更新日:2022年10月21日


 不登校の子供の進路をめぐって、大きく二つの考え方があるのでしょう。


1.学校に戻ることを目指し、そこから社会に出ていった方がいい


2.学校に戻らず、社会に出ていく方法もある


 「社会に出る」ということの定義をどうとらえるかが問題となりますが、一般的には「社会に出てしかるべきところで働く」ということになるでしょう。このブログでも、そうした定義で「社会に出る」ということを考えます。


 さて、「1」の場合は、社会に出るためには高卒や専門学校卒、大学卒などの学歴があった方がよく、また学校では勉強や、社会性を身につけるということもあるので、学校に戻った方がいいという考え方です。


 「2」の場合は、何も学校だけが学びの場ではなく、家や学校以外の外の場でも学ぶことは可能であり、そうしたものを身につけて社会に出ていけるという考え方です。


 インターネットを見ていると、「1」派の人と、「2」派の人が意見を戦わせている掲示板を時々目にします。


 「1」派の人への反対意見としては、学校に戻れない子もいる、何も学校だけが学びの場ではないから、無理に学校に戻す必要はないということです。



 「2」派の人への反対意見は、学校が勉強も社会性も学ぶのにいい場所であり、また一定の学歴がないと社会に出ることも難しく、リスクの高い道を子供が歩むことになるのではないか、ということです。


 お互いに、子供への愛情がベースになっているので、「1」派と「2」派の人の議論は激しくなることがあるようです。


 私個人の考え方としては、まったくの学歴のない形の選択肢は、確かにリスクは高くなるのが現実だということです。同時に、どうしても学校に戻れない子もいるという現実もあり、基本的には「1」を目指しつつも、それが難しい場合は「2」もあるということだと考えています。その場合は、リスクがある生き方になることを承知の上での選択ということになります。学校に戻る「1」の選択肢も、リスクが全くないわけではないので、リスクの高い「2」という選択肢がいけないとは考えていません。


 ネットで見ていると、「2」を選んでやはり、就職のところでつまずき、ニートやフリーターになるケースはあります。リスクが現実になったということです。


 ただ、「2」の道を行き、その後は紆余曲折があったものの、今は社員として働いている人も身近にいました。私がアルバイトをしていた会社の社員さんです。「1」と「2」の間の論争はこれからも続いていくと思いますが、「1」がいいのか、「2」がいいのか、考えておられる方の参考になればと思います。


 私と同年代のその社員さんは、家族経営の会社で中核メンバーとして働いていて、時折そこでアルバイトをしていた私は、親切に仕事を教えてもらっていました。ある時、二人で軽トラで移動していた時、中学時代は不登校で、最終の学歴が中卒とのことでした。どうして高校に行かなかったのか、あるいは行ったけれども中退したのか、そのあたりをもう少し詳しくお聞きした方がよかったかなと、今では考えていますが、とにかく高校卒業資格は持っておられないのです。


 その状況で働くことになったのですが、「あの時代は本当に大変だったよ」と話しておられました。中卒では、就職できるところが非常に狭く、そういうところは働く条件が厳しかったということでした。


 安い時給か、あるいは法に触れているわけではないけれども、道徳的にはあまりやりたくない内容か、そういう仕事が多かったということでした。


 もちろん、それはその人のケースであって、すべての人に当てはまるわけではないでしょう。中卒の学歴ではあっても、職人スキルを高めるような職場で働き、それが認められていって、好条件となっていくということもあるとは思います。


 それでも、一生懸命働きつつ、どこかに普通の条件でいいので、働けるところを探していたということでした。そうすると、今の会社でバイトを募集していることを知り、まずはバイトとして働くことになりました。


 そこでも一生懸命に働いているうちに、その社長に働きぶりが認められ、社員として雇用されることになりました。仕事をどんどん覚えていき、今では社長の右腕的存在となっているのです。


 現実問題としては、不登校の状況から学歴を身につけずに社会に出ていくのは、厳しい条件で働くことになる可能性が高くなります。ただ、その人のように、必ずしも好条件ではないところでも、一生懸命に働いていたら、道が開けていく可能性も出てくるということになります。


 繰り返しますが、それはその人のケースです。中には、一生懸命に働いても道が開けなかった、ということがあるのかもしれません。ただ、不登校から、社会に出ていく道筋の一つとして、参考にしていただければと思います。



Comments


bottom of page