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不登校カウンセリングブログその1212.不登校の子への「偏見」が、解決を遠ざけてしまいます。

更新日:2022年10月21日

 


 不登校のわが子に対して、

「サボりじゃないのか」

「ゲームばかりしていて楽しんでばかりいる」

「もう将来は閉ざされてしまった」

と考えていないでしょうか。


 あるいは、

「子育てに失敗した」

と考えていないでしょうか。


 これらは偏見であり、こうした偏見を親が持ってしまうと、不登校の解決を遠ざけることになってしまいます。


 「サボりじゃないか」という偏見は、お母様よりもお父様の方が持つことが多いように感じます。お母様の方が、お父様よりも頻繁にわが子に接しているため、不登校になるのはサボりたいからではないことを感じているのでしょう。また、お父様の方が、「学校には行くべきだ!」という強い思いを持っていることが多いので、不登校という状況を受け入れられず、「サボりだ」と断罪してしまうようです。


 ただ、サボりたくて不登校になるケースは、あまりありません。学校に行きたいけど行けない、学校に行く必要があることは分かっているのに行けない、という状態に子供は立っているのです。


 そういう状態の子供たちに、「サボっている」という偏見を持ってしまうと、子供たちはどう感じるでしょうか。その偏見は確実に子供たちに伝わります。家でそういう偏見のまなざしで見られていると、家が安心して過ごせる環境になりません。学校に通い続けて疲れ果ててしまった心と体を、安心して過ごせる家で休めたいのに、偏見のまなざしで見られては、心と体を休めることはできません。その分、不登校の状況は長く続きます。


 「ゲームばかりして楽しんでいる」という思いも、不登校の安定期に親御さんが抱いてしまう偏見です。この「安定期」の段階では、子供たちは表面上は落ち着いているように見えることが多いです。


 しかし、内心は「不登校になってしまって、親に対して申し訳ない」「ほかの子たちは学校に通っているのに、通えていない自分はダメな人間だ」「将来は野垂れ死にするかもしれない」というように、情けなく思う気持ちや自己否定感、将来への絶望感でいっぱいです。それらの思いに押しつぶされそうなので、そうならないように集中できること、すなわちゲームを一日中やっているのです。中には楽しんでやっている子もいるでしょうが、大部分の子は楽しくてやっているわけではありません。


 そういう子に対して「ゲームばかりして楽しんでいる」という偏見を持ってしまうと、その心の中にある気持ちに気づいてあげることができません。不登校の解決に絶対必要なことは、子供の心を理解することです。「ゲームばかりして楽しんでいる」という偏見を持ってしまっては、とても正しく理解することはできません。


 

 「もう将来は閉ざされてしまった」という偏見も、まさに偏見です。わが子が不登校になったということは、確かに親にとってもショックですし、「このままでは将来どうなるのか」という不安感にかられるのも仕方ないでしょう。


 しかし、不登校の状況が未来永劫、続くわけではありません。解決しようと、親子で努力していけば、その状況から脱出できます。子供の将来の扉は開いていきます。閉ざされているわけではありません。


 その偏見を持つと、親は、「不登校を解決しよう」という強い思いを持つことができません。「この子の将来は明るい、大丈夫」という思いを持てばこそ、「不登校を解決しよう」という思いがわいてくるのに、そういう偏見を持ってしまっては、解決しようという情熱が出てこないのです。


 「子育てに失敗した」という偏見は、直接、子供に向けられるものではなく、親自身に向けられたものです。わが子が不登校になった、だから子育ては失敗したと考えてしまう親御さんの気持ちは理解できます。


 ただ、学校に行けなかったからということで、それが即、子育ての失敗とはなりません。子育ての結果を問うのは、まだ早すぎます。不登校の状況から脱出して、社会で自分なりの人生を歩んでいる子はいくらでもいます。


 また、子供に問題があるから不登校になった、というわけでもありません。不登校になる事情はたくさんあって、それがすべて子育てに収れんするわけではありません。


 この偏見は、間接的に子供を傷つけます。「子育てに失敗した」ということであれば、子供は失敗作品ということになってしまいます。このような偏見もコドンに伝わり、子供を落ち込ませて、不登校の解決を遅らせてしまうでしょう。


 わが子が不登校になったら、親御さんの気持ちは揺れてしまいます。それは仕方ありません。ただ、こうした偏見は、心が落ち着いてきたら捨ててしまって、冷静な目でわが子とご自身を見てください。





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