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不登校カウンセリングブログその1218.不登校の子供とのコミュニケーションは、伝えたい気持ちを抑えつつ。

更新日:2022年10月21日


 以前のブログで書いたかもしれませんが、あるご婦人が息子さんを亡くされました。その息子さんは、まだ若く、男性の平均寿命の半分もいっていない年齢でありました。


 息子さんを亡くされたことを、そのご婦人から聞いたのが、まだ亡くなってからわずかな時間しかたっていない時でした。そんな時は、何も言えません。あるいは、何も言わなくて正解だったのかなと思います。そのご婦人の悲しみや辛さを思うと、何を申し上げても、そのお心には入っていかなかったでしょう。そのような時は、相手の言葉に耳を静かに耳を傾けるほかないのでしょう。


 では、何も話さずにしておくかというと、そうではありません。ありがたいことに、時間が経過するにつれて、ある程度、心の中にある悲しみや苦しみは軽くなることが多いのです。ある時に受けた、大きな悲しみや苦しみは、時間がたつと軽くなります。そうなれば、こちらが伝えたいことを伝えても、その人の心の中に入りやすくなります。


 不登校の子供に対しても、同じことが当てはまります。その子供の個性や、不登校になった経緯、現在の状態によって異なりますが、一般的には不登校直後は、子供は落ち込み、心に余裕がありません。周囲の人から話を聞いたとしても、それが正しくて役に立つものであっても、聞いて心に受け入れるだけの余裕がないです。


 こういう場合は、先ほどのご婦人の例でありましたように、子供の心が落ち着いて心に余裕が出てくるのを、待つべきなのでしょう。親御さんとしては辛いところです。目の前にいる子供が不登校の状況にあり、落ち込んでいて、元気をなくしている状態であるのに、そして言葉をかけてあげたいと思っているのに、待つほかないということは、親御さんにとって辛いです。


 もし、子供に言葉をかけることができそうでしたら、かけてあげてください。「よく頑張ったね」とか、「自分がついているから」とか、子供の心が落ち着くような言葉をかけてあげてください。


 しかし、そういう言葉すら、受け入れられない時があります。元不登校だった子供が、当時のことをふり返って、「一番落ち込んでいた時は、何を聞いても受け入れられなかったし、何もできなかった」と語っているのをしばしば目にします。こういう時、子供のことを思うのでしたら、そっとしてあげるべきなのでしょう。


 では、ずっとそのままでいいかというと、そうではありません。落ち込んでいた時よりも明るくなり、少し元気になる時が来ます。会話をし始める時が来ます。そういう時が来たら、子供の心の状態を見つつ、コミュニケーションをとっていくべきなのでしょう。どういうコミュニケーションがいいかは、子供の個性や心の状態によりますが、一般的には学校や勉強のことには触れない方がいいのでしょう。子供からそういう話を振ってきた場合は別ですが、親としては話題にしたい、そういうことには触れないようなコミュニケーション、雑談などがいいのかもしれません。


 親として子供にいろいろ話したい、伝えたいということがあると思いますが、不登校直後からしばらくの間は、そういう気持ちを抑え気味にしていただくと、落ち込んでいる子供の心の受け入れる余裕ができて、コミュニケーションがより円滑になります。








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