不登校の子供とのコミュニケーションで、つい間違ってしまうのは、親が聞きたいことや言いたいことを優先させてしまって、それが子供の心の状態と合わない内容であり、子供の拒否反応を起こさせてしまうことです。
子供が不登校になれば、多くの親御さんにとって重大関心事であるのは、「これからどうするのか」「将来はどうするのか」「学校にいつ行くのか」ということでしょう。子供の将来のことを思っている親御さんとしては、当然でしょう。
ただ、特に不登校の初期、子供が疲れていたり、心に深い傷を負っていたりする場合は、こうしたことを聞いたとしても、まず答えは返ってこないでしょう。返ってこないばかりでなく、先ほど述べましたように、「そんなこと考えたくない!」「分かるわけない!」という拒否反応を示すこともあります。それは、子供の心の状態からみて、合わない内容だからです。
心に深い傷を負っていて、「自分はダメだ」と思い、自己肯定感を失っているのでしたら、心の傷をいくらか和らげること、自己肯定感をある程度取り戻し、将来のことが考えられるようになって、「これからどうするのか」「将来はどうするのか」ということを話し合うべきです。
不登校の状況にある子供とのコミュニケーションが難しいのは、親が聞きたいことと、子供の心の状態とのギャップです。このギャップを意識しないと、コミュニケーションがうまくいきません。子供が心を閉ざしてしまうことになるのです。
そこで、不登校の子供とのコミュニケーションは常に、子供の心の状態をできるだけ理解し、その心の状態から見て、自分が伝えようとしていることが、子供が受け入れられるものであるかどうか、検討する必要があります。そのためには、子供の反応をよく見ながら、コミュニケーションする必要があります。
周囲にもいないでしょうか、相手の反応を見ずに、コミュニケーションをしてしまう人は。悪気はないのでしょうが、そのようなコミュニケーションの癖があると、不登校の子供とのコミュニケーションは危ういものになります。不登校の状況にある子供の心は、非常に揺れ動きやすいものになっています。そのため、コミュニケーションでは、子供の心の状態をよく見ながら、子供の心を揺らさないよう注意していく必要があるのです。
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