わが子が不登校になって、親御さんは驚き、また落ち込んでおられているでしょう。なぜ、親御さんの中には自分の子育てに原因を求めてしまって、「自分の子育ては間違った」と思ってしまっている方もおられるでしょう。
そうした親御さんの慰めになるかどうかわかりませんが、わが子が不登校という状況には一つ、言えることがあります。それは、「家は避難場所だ」と考えてくれているということでもある、ということです。
不登校になるということは、家の外の世界である学校が、何らかの理由で、わが子にとって苦しい場所か、あるいはストレスを感じる場所か、少なくとも「行きたくなくて、避けたい場所」になっているということです。そうした場所からの避難行動が、不登校ということです。避難先として、わが子は育ってきた家を、家族がいる家を選んだということです。
もし、家を避難場所として考えることができなかったら、子供は、学校にも行けず、家に避難することもできないという状態に陥ってしまいます。まだ、社会に居場所を十分に持っておらず、自分で居場所を作ることもできない年代で、そうした状態に陥るのは、子供にとって存在意義すらおびやかすことでしょう。実際、不良の道を進まざるを得なかった子供の中には、家にも居場所がなかった子供がいます。本来は家に居場所を求めたのに、そうならなかったため、同じような境遇の子供たちと集まるうちに、そうした道を選ばざるを得なかったということもあるのです。
わが子の不登校という状況の中には、親御さんにとっての一筋の光があります。それは、わが子との信頼関係です。わが子が家庭を、親御さんの存在を信頼しているから、不登校という選択肢を選んでくれたのです。そのことは、親御さんにとっては明るい材料となるのではないでしょうか。
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