不登校カウンセリングブログその1236.不登校の子供とのコミュニケーションでは、「静かなる情熱」を心の中に灯していることが大切です。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年9月16日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月17日

不登校の子供とのコミュニケーションにおいて必要なこと、大切なことはいろいろとあります。子供の心の状態をよく見て、その状態に適切なコミュニケーションを行うこと、解決を焦らないこと等、いろいろとあります。その中で特に大切なものの一つに、「静かなる情熱」を心の中に灯していることだと思うのです。
「静かなる情熱」とは何でしょうか。まず、「静かなる」というのは、情熱を表面に出してしまって子供に「引かれ」ないように、情熱を心の内にとどめておき、あまり表面に出さない、ということです。表面にはあまり出しませんが、では、情熱がないというとそうではありません。情熱は心の中に灯っているのです。
その具体的な情熱ですが、それはコミュニケーションを行う際の目的によってさまざまです。「低くなってしまっている、この子の自己肯定感を高めよう」ということが目的になっている場合は、「この子は素晴らしい。今はこのような状況であっても、そして自分で自分のことをダメだと思っていても、この子は素晴らしい」という情熱です。希望を見失ってしまっていて、生きる希望を伝えようということが目的になっている場合は、「必ずこの子には希望はある。希望を見出すことができる」という情熱です。さらに、「今の状況は絶対に解決する」ということが、不登校になっている状況全体を通しての情熱です。
なぜ、このような情熱が必要なのでしょうか。
不登校の状況にある子供の多くが、その心の中は冷え切っています。中には、自主的に不登校になり、家で学習するなどの選択肢をとっているような子供もいますので、そのような子供には当てはまらないでしょうが、たいていの子供は、「自分はダメだ」「もう外の世界に出たくない」「自分の将来は真っ暗だ」というふうに、心の中が冷え切っています。
子供とのコミュニケーションにおいては、その冷え切った心を温め、熱くしていく必要があります。そのために、コミュニケーションをとるこちら側が、心の中に情熱を灯している必要があるのです。心が冷え切った子供とのコミュニケーションにおいては、子供は、自分に言われたことに対して、「そんなことない!」「そんなことは信じられない!」というふうに反発してくるでしょう。こちら側が、心の底から子供のことを心配し、愛していても、相手はまだ「子供」です。しかも心が不安定な状態です。こちらの言葉を素直に受け止めることができないでしょう。
そういう反発を受けると、どうしてもこちら側も心が冷えていってしまいます。どんどんと冷えてしまうと、愛するわが子のことであっても、「いくら話してもどうにもならないのかな」とあきらめの気持ちが強くなってしまって、こちらも心が冷えてしまうのです。そんな時、心の中に情熱があれば、心が冷えてしまうのを防いでくれます。
では、どうすればそのような情熱を、心の中に灯すことができるか、ということですが、わが子の幸福を強く願って、そしてあきらめないということです。この場合、情熱は、自分で灯し、そこに自分で薪を加えていくしかないです。
それは大変な作業かもしれませんが、それによって最終的には子供の心も温め、熱くすることができますので、決して無駄な作業にはなりません。
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