不登校カウンセリングブログその1238.思春期の不登校の子供にとっては、人間関係が非常に重要になっています―「人間関係がうまくいかない」ということの辛さを理解するために―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年9月18日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年10月17日

不登校の子供の何割かが、人間関係がうまくいかないということで、不登校になっているでしょう。いじめも、うまくいかない人間関係の一種ですが、そこまでひどいものでなくても、例えば、友達と合わせようとして疲れてしまったとか、集団の中でも孤独を感じるとか、大人から見て、「不登校になるほど、辛いのだろうか」と思ってしまうようなケースがあります。
大人になった世代には、少し実感がわかないかもしれませんが、思春期の頃は友達との人間関係が、非常に重要になっています。そこでうまくいかないことがあると、自分の存在価値を失いかねないほどのショックを、子供は受けてしまいます。
子供が誕生してしばらくは、子供は家族の関係の中で、自分の存在価値を高めていきます。特に親子関係が重要で、親子関係が円満であれば自分の存在価値を自分で確認することになり、自己肯定感を持つことができます。
子供が成長していくと、友達との関係の中で自分の存在価値を高めていくことになります。親とのコミュニケーションよりも、同年代の友達とのコミュニケーションを重視し始める時期です。
それが思春期の、本格的な親離れの時期になると、その傾向が非常に強くなります。孤立するような立場になることに、大きな抵抗を感じます。そうなってしまうと、自分の居場所をなくしたように感じ、学校に行くことが苦痛になる子供もいます。
もしこれが、大人であれば、もう少し余裕のある態度で、そのような状況を受け止めることができるでしょう。あまり愉快な状況ではありませんが、「人は人、自分は自分」というような姿勢で、その状況を受け止めることができます。これは、自分というアイデンティティがある程度確立され、思春期の頃のように、友達との人間関係において自分の存在価値を高める必要が薄れてきたためです。「大人の余裕」というところでしょう。
そのような「大人の余裕」を持っているので、人間関係がうまくいかなくて、不登校の状況になっている子供の、心の余裕のなさを十分に理解できないことがあるのです。子供の話を聞いて、「そんなこと、大したことないじゃないの」と言ってしまいがちなのです。
そんな時は、思春期の頃のことを思い返してみて、そう言えばその頃は自分もそうだった、友達との人間関係を大切に思っていて、孤立することを非常に嫌がっていたなということを思い出せたら、子供の悩みや苦しみに共感することができます。十分に共感できれば、子供は心の内をどんどん打ち明けてくれますし、子供の悩みや苦しみを軽くするような言葉を、かけてあげることができるでしょう。
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