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不登校カウンセリングブログその1244.不登校の子供の心が開かないと、こちらが伝えたい言葉は心に届きません―どうすれば心を開いてもらえるでしょうか?後編―

更新日:2022年10月17日




 前回のブログに引き続き、どうすれば子供の心を開いて、伝えたい言葉を心の中に届けることができるか、について書いていきます。前回のブログでは、子供が心を閉ざしている場合が二つあって、一つが、不登校直後心身ともに疲れている場合であり、もう一つが、不登校の前後に、子供が親とぶつかったという場合です。


 今回は、それら二つのように、ガチッと心が閉じているというのではないものの、こちらの伝えたい言葉が心には届かない、あるいは届きにくいという意味で「閉じている」状況を扱います。


 今回の内容は、不登校の子供に限らないことです。すなわち、テーマを先に挙げてしまいますと、「人は、自分の心の状態からかけ離れた言葉を、なかなか受け入れることはできない」ということです。このことについては、自分自身を省みても、また、他人を見ても実感します。


 私の知人で、「大金持ちになることは、株などで一発当てて、労せず楽にお金を稼ぐことだ」と信じている人がいます。その信念のもと、あまり働かず、投資の勉強もあまりせず、株をやっている人です。


 確かに、大金持ちになった人の中には、投資家になっている人がいます。株を投資することで、その配当などで大金持ちになっている人です。


 ただ、そういう人は、まずコツコツ労働し、それによってまとまったお金を準備して、そこから生活に必要になる以外のお金を投資に回し、その投資で少しずつ資産を貯めていっています。いきなり大金を賭けてリスクの高い投資をするようなことはしないでしょう。


 その知人の投資はうまくいっていないようで、「投資をするにせよ、まずコツコツ働いて少しずつお金を蓄えていくべきだ」ということを、以前は折に触れて話していたのですが、耳を傾けようとしません。「いずれ分かるだろう」と考えて、もう話をすることもなくなりました。


 なぜこちらの言葉が、その知人の心に届かないかというと、その知人の心の状態と、私が伝えようとしている言葉の内容とに、大きな格差があるからです。その知人は、「大金持ちになるには、働かず、楽して稼ぐ」というふうに考えています。一方、私は、「コツコツ働いて少しずつお金を貯めていって、それが最終的に大きな資産になる」という言葉を伝えようとしています。そこに大きなギャップがあり、知人の心に私の言葉は入っていかないのです。


 不登校の子供に、伝えたい言葉があり、それが本当に子供のためになるとしても、心に入っていかないのは、心の状態と言葉とに大きなギャップがあるのかもしれません。


 例えば、「自分はダメだ、何のとりえもない」と深く自己否定感を抱いている状態で、こちらが「あなたは素晴らしい。大きな可能性がある」という言葉を伝えようとしても、そのギャップが大きいと子供が感じたら、心に入っていきません。


 では、どうすればいいか、ということですが、二つ方法があります。一つは、「共感」です。子供の心を理解しているということを子供に伝えて、それでもあえて伝えているんだ、ということを子供が感じ取れるようにします。


 先ほどの場合でしたら、「こんなに大変なことがあったのだから、『自分はダメだ』と考えるのも仕方ない」ということを、こちら側が考えていることを伝えます。そうすることで、「自分の親は、自分のことを理解してくれている」と感じ、心が閉じるのを防ぎます。


 もう一つの方法は、一度に伝えようとせず、部分的に伝えることです。少しずつ、こちらが伝えたいことを伝えていく方法です。先ほどの場合でしたら、「こういう部分は長所だしとりえはあるんじゃないかな」と伝えます。部分的に伝えていけば、その部分を子供は心に受けとりやすくなります。伝えるために時間がかかってもいいので、徐々に伝えていくことで、「そうかもしれないな」と子供が考えてくれる可能性が高まります。








 


 


 













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