不登校の状況の中にいて、「不登校の状況がなかなか変わらない」と思っておられるお母様はいらっしゃるでしょう。不登校の状況にいる当事者であるために、不登校の状況が変わっていることにかえって気づかないことがあります。
しかし、本当に変わっていないのでしょうか。何か、気づいていない変化はないでしょうか。
わが子の表情が明るくなった、ということはありませんか。不登校直後は、目に輝きが感じられなかったのに、落ち込んだ表情だったのに、少しずつ変わってきて、輝きが感じられ、表情が明るくなってきたということはないでしょうか。
以前は黙っていたのに、会話するようになってきたということはありませんか。何を聞いても、返事せず黙っていたのに、返事をするようになったということはないでしょうか。
あまり食べなかったのに、よく食べるようになったということはありませんか。目に見えてもりもりと食べるようになって、食欲が旺盛になったということはありませんか。
教科書を開くことすらしなかったのに、短い時間ではあるけれども、机に向かって勉強するようになったということはありませんか。そこまでいかなくとも、勉強しようかなとか、勉強に対して意識するようになったことはないでしょうか。
何か些細なことでもいいのです。不登校直後のころと比較して、変化はないでしょうか。その変化がいい方向のものであれば、おそらく子供の心に何か、いい方向への変化があるはずです。それは、子供自身が頑張ってきた結果でもあり、ご家族が頑張ってきた結果でもあります。
わが子が不登校になっていて、親御さんが願うことはやはり、その状況が解決することです。その願いを強く抱くあまり、「状況が解決に向けて大きく変化しないと、変化したとは思えない」と考えてしまうかもしれません。
子供のそばにいるために、かえって気づかないことがあります。また、「不登校の状況が変わり、再登校するようにならないと、ゴールではない」と思うあまり、変化に気づかないこともあります。いい兆候を見つけることも、一つの才能だと思うのです。
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