不登校カウンセリングブログその1288.不登校のわが子への対応は、とにかく「焦らない」ことが大切ですが、では焦らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年11月7日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年11月8日

わが子が不登校になり、カウンセラーなどから「焦らないでください」と言われて、焦らないでいられる親御さんは、それほど多くはないでしょう。愛するわが子が、不登校の状況になっていれば、早くその状況から脱出してほしいと願うのが親心ですから、そこから焦りを感じる場面も出てくるでしょう。
ただ、「早く、この状況を変えなければ」と焦っても、不登校の解決にとってあまりプラスにはなりません。かえって、マイナスになることの方が多いのです。
1 焦ると、子供のことをゆっくり見ることができなくなる
焦ると、自分の心の方にとらわれてしまいます。どうしても、自分本位の考え方になってしまうのです。自分本位の考え方になると、子供のことをゆっくりと見ることができなくなります。
そうなれば、子供が今、どういう気持ちなのか、何を求めているのか、何をしてほしいかが分からなくなってしまいます。
また、自分が子供に望むことを、子供に押しつけがちになり、子供の心を閉ざしてしまう可能性があります。
2 焦ると、押すべきでない時に子供の背中を押してしまう
不登校の子供の背中を押すことが、間違いというわけではありません。時には、背中を押すべきことが必要な場合もあります。
ただ、焦っていると、たいてい、押すべきではない時に、子供の背中を押してしまうのです。まだ、学校に行ける状態ではないのに、学校に行かせようとするというように、早々と背中を押してしまい、かえって子供が内にこもることにもなりかねないのです。
3 焦ると、それが子供に伝わってしまう
不登校の状況にある子供は、周囲の人の心の動きに敏感です。もちろん、そばにいる親御さんの心もです。その心の中に、焦りの気持ちがあると、子供に伝わります。「親が焦っている」と感じると、子供もあせってしまって、ゆっくりと家で心と体を休ませることができませn。
4 焦ると、自分自身が辛くなる
焦ると、親御さん自身が辛くなります。「早く、不登校を解決しなきゃ」という思いに心がとらわれてしまって、毎日が辛い日々となります。わが子が不登校の状況になって、心から楽しむことは難しいかもしれませんが、 せめて「辛い」という気持ちではなく、できるだけ穏やかな気持ちで過ごせた方がいいでしょう。
焦ることは、決して不登校の解決にはプラスにはならないですが、では、できるだけ焦りを抑えるにはどうすればいいのでしょうか。これも難しいことですが、焦るということは、今の状況にまったく意味を見出しておらず、今の状況は早く通り過ぎるべきだ、と考えているのかもしれません。今の状況に対して、通り過ぎるべきものだと考えるのは、自然な感情だと思いますが、その考えを部分的に変えていければ、焦りの感情を少し抑えられるかもしれません。
生きていて、自分にとってプラスのことだけが起こるわけではありません。私も、時にいやになることがあります。「なんでこんなことが起こるのか」と何度思ったことでしょうか。
不登校のご家族にとっての不登校などもそうでしょう。そのような、マイナスに見えることにも、通り過ぎてみたら何らかの意味が出てくるのかもしれません。その最中は、とてもそんな考え方にはなれませんが、その出来事を乗り越えていく過程で、何か得られるものがあるのかもしれません。今、不登校の最中で苦しい思いをされているご家族には、「そんなことあるわけがない」と反論されると思いますが、そう考えなければなかなか、焦りの気持ちを抑えるのは難しいです。
不登校は、少ないケースを除くと、すぐに解決することはなかなかありません。完全に解決することが、焦りを解消する一番のことだと思いますが、すぐに解決しないのであれば、その解決するまでの時間の中で、不登校の状況への感じ方や考え方を、可能であれば少し変えてみるのと、焦りを少し抑えられるのかもしれません。
Comments