不登校カウンセリングブログその1297.最近わが子が不登校になった親御さんにお伝えしたい、「不登校は必ずしも子育てのせいではない」こと、「不登校の解決のために親が変わらなきゃならないわけではない」こと
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年11月17日
- 読了時間: 3分

最近、わが子が不登校になってしまって、不登校に関するいろいろな本や資料を読んでおられる親御さんはいらっしゃるでしょう。その中で、「不登校になったのは親のせい」のようなテーマで書かれたものもあると思います。責任感の強い親御さんがそれを見て、「わが子が不登校になったのは、親である自分のせいだ」と落ち込んでしまうかもしれません。
ただ、そういうテーマをそのまま受け取るのは、ちょっと危険だと思います。不登校の事例を見ていて、子供が不登校になるのはさまざまな原因・背景があって、時にはそれらが絡み合って起こる、ということを、私は、不登校のご家族と接してきて実感しています。中には、子育てが影響している事例も、もしかしたらあるのかもしれません。それでも、「100%子育てに原因がある」ということではなく、他の要因も合わさって起こることであり、そのように断言することはできません。
不登校になる原因・背景には、
いじめ、友達との関係、先生との関係、クラスや学校の雰囲気、勉強の得意・不得意、子供自身がもともと持っている個性、思春期特有の考え方
等、さまざまなものがあります。
例えば、感受性が高く、他人に配慮するような個性の子供の場合、クラスの人間関係がギスギスしているようだと、それが嫌になって不登校になることがあります。このような場合、「子育てにすべて原因がある」とはなりません。いろいろな原因が絡み合っています。
もう一点、注意していただきたいことは、「不登校の解決のためには、親が変わらなきゃならないわけではない」ことです。いろいろな本や資料を見たり、アドバイスを受けたりする中で、「不登校の解決のためには、親が変わる必要がある」ということは、しばしば聞かれることだと思います。必ずしも、そういうわけではありません。
具体的に、どの部分をどのように変える必要がある、ということでしたら、まだいいと思います。どこをどのように変える必要があるということも言わずに、ただ漠然と、「親が変わる必要がある」と言われ、そのアドバイスを実行しようとすると、精神的にきつくなっていきます。具体的に何を変えるか分からないですし、自分で自分を全否定しているような気になっていきます。
わが子と接する過程で、「自分のこういう部分は、ちょっとこのように変えた方がいいかな」と気づいて変えるのは大丈夫だと思います。何らかの根拠がありますので、親としての「直観」にのっとっていくべきでしょう。ただやみくもに「親が変わらなければならない」というアドバイスにのっとるのは、ちょっと危険です。
「不登校は子育てのせい」、「不登校の解決には親が変わる必要がある」という論理は、けっこう広まっていて、不登校になった直後の親御さんを不安にさせるものですので、そのような論理にはご注意ください。このように、親御さんを不安にさせることで、売り込みたい教材やサービスを、買わせやすくする狙いもあります。
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