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不登校カウンセリングブログその1298.「明日は学校に行く」と口にする、不登校の子供の心理。


 不登校の子供が、夕方や夜になると、「明日は学校に行く」と親に話すことがあります。それまで休んできた子供が、そのようなことを口にすれば、親は喜び、「明日からは学校に行ってくれる」と期待で心がいっぱいになるでしょう。


 しかし、多くの場合、翌日の朝に「やっぱり学校に行けない」という子供の言葉を聞くことになります。稀に、本当に学校に行く子供もいますが、一般的にはそのようにはならず、不登校の状況が続くことになります。


 そのようになるのは、子供のある心理があるからだと思うのです。


 その一つが、「親に心配をかけたくない、親に申し訳ない」という心理です。これは不登校の子供、そして元不登校の子供から、よく聞く心理です。不登校の状況の中で、何も話していなかったり、ゲームに熱中していたりして、そのようなことを思っている素振りが見えなくても、多くの子供が、そのような心理となっています。


 しばしば、ブログに書いてきたことですが、不登校の子供は、人の気持ちに敏感な傾向があります。それゆえに、親の気持ちをおもんぱかって、「親に心配かけたくない、親に申し訳ない」という心理になります。


 その心理から、早く学校に行って親を安心させたいと思って、今、自分の気持ちが本当は学校に行けるものになっていないのに、「明日は学校に行く」と言ってしまうことがあるようです。親をだましているとか、嘘をついているということではなく、親を安心させたいという子供心なのです。


 もう一つの心理とは、「学校に行かなくてはいけない」という、焦りにも似た心理です。不登校の子供も、学校に行かなくてはならないことは分かっています。このまま不登校の状態が続けば、自分の将来が厳しくなることも分かっています。そこから焦りの思いが出てきて、学校に行ける状態ではないのに、「明日は学校に行くよ」という言葉を出してしまうのです。


 子供は、親が想像する以上に、「このままじゃいけない」と焦っていることがあります。のんびりゲームをしているようにも見えますが―中にはそのような子がいるのかもしれませんが―焦りの気持ちから意識を外すために、ゲームに熱中していることがあります。「うちの子は何も考えていない」と憤慨する親御さんがいらっしゃいますが、実際はそのようなことはありません。


 では、子供が、「明日は学校に行くよ」と話した場合、親としてはどうすればいいのでしょうか。


 この場合、先ほどの、子供の心理を理解した上で、期待しすぎないということが必要でしょうか。この場合の「期待しすぎない」とは、「明日は学校に行ってくれる!」と喜びすぎず、「親のことを思って言ってくれているんだな」と思いつつ、「可能性は低いけれども、学校に行くのかもしれない」と受け止める、ということです。まったく期待しないというのも、子供のことをまったく信じていないような感じになってしまいますので、親御さんとしては抵抗があるでしょう。


 そのように気持ちを持ちつつ、子供には、「元気になってきて嬉しい。でも、無理しないでね」というような、自分の嬉しい気持ちと、子供のことを配慮しているということを、伝えます。あまり、嬉しいという気持ちを伝えすぎますと、翌朝、学校に行けなかった場合、子供がより落ち込む可能性があります。


 「明日は学校に行く」という言葉を子供から聞いて、嬉しくない親御さん、期待しない親御さんはおられないでしょう。そのような親心を、若干セーブすることは難しいことですが、やはり学校に行けなかった場合の子供の落ち込みを減らすことが、この場合は重要になります。






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