不登校カウンセリングブログその1300.不登校の子にとっての通信制高校という選択肢―選択肢を活かせるかどうかは本人の努力がカギ―
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年11月20日
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不登校の子にとって、通信制高校の存在は大きな福音でしょう。どうしても学校に通い続けることができない子にとって、通信制高校に入り、一定の条件をクリアしたら卒業して、「高卒」という肩書を得ることができるのは、それから先の人生を歩む上で大きなメリットとなります。
昔、私がアルバイトをしていた先の社員の方が、高卒の肩書がなく、就職するのに非常に苦労した、と話していました。中卒だから人間として劣るというわけではないと思いますし、肩書がすべてとはならないですが、現実問題として、高卒の肩書がないと就職には苦労するという社会ではあります。そういう社会で、高卒の肩書を得られるのは、先の人生の選択肢、可能性が広がることは確実です。
ただ、高卒という肩書が得られるから、通信制高校に行けばすべてがバラ色になるかというと、もちろんそうではありません。通信制高校にはそれなりのハードルがあり、それを乗り越えていく必要があります。
高校を卒業したら、就職か進学か、どちらかの道を選択する必要があります。通信制高校の場合、全日制よりも、就職の求人は少ないという現状があります。
通信制高校への求人の状況に詳しい人によると、企業が通信制高校を差別しているというよりも、求人票を出す先が既知の高校に限定されてしまい、どちらかというとマイナーな通信制高校は、求人票を出す先から外れてしまって、その結果、通信制高校への求人が少なくなる、ということでした。
加えて、就職についての、高校のサポート体制が十分ではないということもあります。通信制高校も様々ですので、中には就職のサポート体制を充実させているところもあると思いますが、サポート体制が整っていないところが多いのが現状です。
また、通信制高校では、毎日、生徒が学校に通っているわけではありませんので、サポートを受ける頻度が限られてくるという事情もあるでしょう。
通信制高校を卒業後、就職を希望する場合は、自分から積極的に情報を収集し、自分から動いていく必要があります。何としても就職したい、という強い意思が必要です。
進学の場合、全日制高校よりも自由なカリキュラムですので、学力を高めて大学や専修学校への進学を目標とするのでしたら、自己管理をしっかりと行い、勉強していく必要があります。通信制高校の中には、大学進学を目指すところもありますので、そういうところに入れば、勉強や受験へのサポート体制はしっかりしているでしょう。ただ、一般的には、全日制高校に通学するよりも、自分で受験情報をきちんと集め、計画的に勉強していく必要性が強くなるでしょう。
通信制高校の特徴は、繰り返しますがその自由さです。それゆえに、学校に通うのが難しい不登校の子供たちにとって、次のステップになる場となりますが、逆に自由さゆえに、自分で積極的に働きかけないと、そのステップを十分に活かせない、ということになってしまうので、その点をしっかりと理解したうえで、通信制高校という場を有効に活かしていただきたいと思います。
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