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不登校カウンセリングブログその1330.不登校の子供を「変えよう」とすると、どうしてうまくいかないのでしょうか―「変えよう」とするのではなく、悩みや苦しみに「共感」することが、不登校対応の出発点―


 不登校の状況を早く解決したいと願い、不登校の子供のそばにいる人―たいていは親御さんになると思います―が、子供を変えようとすると、多くの場合失敗します。子供が心を閉ざしたり、かえって心の状態が悪くなったりして、うまくいかないことが多いです。


 子供の立場に立って考えてみますと、「変わるべきだ」と思われて、何かやることを勧められたり、何かを言われたりするということは、今の自分を否定されていることになります。不登校に至るまで、おそらく子供たちの多くが、自分を否定するような状況にあったはずです。その結果、「自分はダメだ」という自己否定感を抱くようになったはずです。その上さらに、「変わるべきだ」と思われることは、重ねて否定されることでもあります。自己否定感を抱いている時の子供には、なかなか受け入れることはできないでしょう。


 さらに、変わることにもエネルギーが必要です。そのエネルギーが、不登校直後からしばらくの間の子供たちには、残されていません。そういう状態のところに、「変わりなさい」と言われても、拒否することになってしまいます。


 子供を変えようとするのではなく、まず子供の心の中にある悩みや苦しみを知ろうとすることが、不登校の状況を変えるために必要なことだと、私は考えています。子供が不登校の中にいるのは、子供の心の中に何らかの悩みや苦しみがあるからです。その悩みや苦しみは、子供によってさまざまです。何を悩み、何を苦しんでいるかを知ることで、子供の心により近づき、寄り添うことができます。「そういうことで悩んでいたのか、苦しんでいたのか」と共感することができます。


 そのように共感することは、子供にとって、自分の悩みや苦しみを理解してくれたことになります。不登校の子供に限らないことですが、自分の悩みや苦しみを理解してくれる人には、心を開きます。子供の心を開くことができたら、もっと子供の心を知ることができます。


 子供の心を開くことで、子供の抱えている悩みや苦しみを軽くしたいと願う言葉を、その心に届けやすくなります。もっと子供の心を知ることで、悩みや苦しみを軽くする適切な言葉を、紡ぎだすことができます。


 子供を変えようとするのではなく、子供の悩みや苦しみに寄り添い、共感することが、大切なことであり、不登校への対応の出発点となります。




 


 


 

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