不登校カウンセリングブログその1335.不登校が増えている背景の一つには、地域社会の崩壊があります。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2022年12月25日
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不登校になる子供が増えています。全国で約20万人となっていて、現在の教育の課題の一つでしょう。
わが子が不登校になると、「自分の子育てがうまくいっていないから」とご自身を責める親御さんがおられます。特にお母様に、その傾向が見られます。
しかし私は、それは違うと考えてきました。不登校になる子供が増えている背景の一つに、地域社会の崩壊があると考えていて、子育てに必ずしも原因があるわけではないのです。
昔は、地域社会がしっかり機能していました。近所に住んでいる人の顔と名前が一致していて、近所には誰が住んでいるか、把握していました。地域社会での人と人とのつながりがしっかりしていました。
そうした地域社会の中では、実は親は、あまり子育てをする必要はなかったのです。そこまで言うと、言い過ぎかもしれません、もちろん、当時の親も、子供のために家事をしていましたし、子育てもしていましたが、地域社会という単位でも育てられていたのです。隣近所の大人が面倒を見ることもあって、時には叱ったり注意したりして、子供は育っていきました。
地域社会の子供というコミュニティでも、子供は育てられていました。年長の子供が、幼い子供と一緒になって、さまざまな遊びをする姿は、街中のいたるところで見られました。
そうして子供は、まったくの赤の他人と幼い時から接していて、人間関係を円滑に結ぶ術を自然に修得していました。学校に入って初めて、集団生活をするというわけではなく、幼い時から遊びを通して、地域社会の中で集団生活を行っていたのです。
そうした地域社会が崩壊していったのは、1980年ぐらいからでしょうか。都市化が進み、都市部では隣に誰が住んでいるか分からなくなりましたし、地域社会という単位で子供を育てるということもなくなりました。
そうなりますと、子供が人間関係を円滑に結ぶ術を修得する機会は、減っていきました。不登校の要因の一つには、いじめではないけれども人間関係がうまくいかない、集団の中にいるのが怖いというふうに、集団生活になじめないということがあります。集団生活の中で、どのように人間関係を円滑に結べばいいか分からないという子供が増えていて、不登校になっているケースが増えているのではないのでしょうか。
そう考えますと、「不登校=子育ての問題」という図式は、単純すぎるものであると思うのです。
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