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不登校カウンセリングブログその1342.「お母さんが全部悪いんだ!」と言って暴力をふるう不登校の子供。しかし、それは「甘え」の状態です。


 家庭内暴力が起こるケースは、大きく二つに分けられます。一つが、子供が非行化しているケースです。もう一つが、子供が不登校になっているケースです。非行化して、学校に行かなくなっているケースもありますが、それは前者に含められると考えています。


 今回は、後者のケースを考えていきます。子供が不登校になって、暴力をふるうケースです。このケースでは、「(自分が不登校になったのは)お母さんが全部悪いんだ!」と言って、暴力をふるってくることがあり、お母様は、「わが子が不登校になったのは、自分の子育てのせいだ」と落ち込んでいるところに、そういうことが起きると、さらに落ち込みは激しくなってしまうでしょう。


 ただ、すべてのケースに100%、当てはまるわけではないのですが、不登校の子供が、母親に対して暴力をふるってくるのは、本当に「不登校になったのは母親のせいだ」と考えているのではなく、学校に行けない状況になって苦しい思いを、母親にぶつけているという、「八つ当たり」の面が強いのです。


 不登校になっている状況を、子供はなかなか受け入れることができません。また、不登校になっている自分に対しても、「他の子は普通にやれることが、自分にはできない」と受け入れることができません。自分はなんてダメな人間なんだと思い込んでしまっています。


 さらに、将来への不安も抱えています。このままの状況では、自分の将来はないと、不安は募るばかりです。


 外の人間関係を断っていますので、そのような気持ちを外にぶつけることはできません。そうなりますと、身内である家族にしかぶつけられないのです。


 では、家族の誰にぶつけるか、ということになります。そのことを考えるためには、不登校は回避行動であり、一種の退行現象であることを、おさえておく必要があります。不登校は、子供が家庭から外の世界に旅立っていく過程で起きた、回避行動でもあります。家庭から出た世界、一般的には学校になりますが、その世界でうまくいかないことがあって、家庭に戻ってきたのが不登校の状況です。


 同時に、不登校は、子供から大人へと成長していく過程で、いったん家庭に戻っていることになりますので、大人から子供時代に戻っていることにもなります。つまり、退行現象です。


 不登校になった子供の中には、明確に幼児返りする子供がいます。年齢にふさわしくない形で、親に甘えることがあります。退行現象の一種で、学校という社会でうまくいかなかった自分に、家庭に戻って親に甘えることで、自信を取り戻そうとしているのです。


 その退行現象、それは甘えでもあります、その現象を起こしている子供の中には、先ほどの心のマイナスの感情を、暴力という形で親にぶつけてしまうのです。たいてい、甘える相手は母親ですので、母親に暴力をふるうことになるのです。


 そうした暴力は受け入れるべきではありませんが、甘えの一種であり、退行現象の一種であるということは理解しておくと、「お母さんが全部悪いんだ」という言葉を聞いても、その子供の心理を誤解することが避けられます。









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