不登校カウンセリングブログその1353.不登校の「回復期」においては、スムーズに学校に行くよりも、たびたび学校を休むことの方が多いです。
- 不登校・引きこもりカウンセリング「エンゼルアカデミー」
- 2023年1月12日
- 読了時間: 3分

長かった不登校の「安定期」、家にこもっていて外の世界に関心を持たなかった段階から、外の世界に関心を持ち始めて学校に通い始める「回復期」に移ると、親も子供も嬉しいですし、ホッとします。不登校が解決したということになるからです。
ただ、冷や水を浴びせるようなことを書いてしまいますが、「回復期」において、そのままスムーズに学校に通い続けるのではなく、再び学校に行けなくなる時が来るかもしれません。学校に通い始めて、しばらく学校に行っていたのに、疲れた感じになってきて「学校行けない」と再び学校を休むようになるのです。
学校に通い始めて、そのままずっと何もなく通い続ける子供もいます。ただ、学校に行けなくなる子供の方が多いように感じます。どうしてそうなるのでしょうか。
不登校の回復期の環境の中では、子供は非常に疲れやすいのです。ストレスもたまります。回復期の前の段階である安定期で過ごす中で、体力が落ちています。ずっと家にこもりっきりですから、体力が落ちているのは当然です。学校に通うという行動が、そうして体力が落ちてしまった子供には大きな負担になります。
たくさんの人と出会う環境も、子供を疲れさせます。安定期の中ではほぼ誰とも会わない環境だったのが、通信制高校であまり学校に通わない場合を除くと、いきなりたくさんの人と出会う環境になりますので、そのギャップに疲れてしまうのです。
回復期に疲れてしまう要因には、子供の「頑張ろう」という気負いもあります。子供が、それまでの回復期から、外の世界に関心を持ち始めるのは、小さくなっていた「客観的自己」が、再び大きくなるからです。それが気負いを生じさせます。
「客観的自己」とは、他人から見られている自分、他人が評価している自分、他人と比較した自分です。それが大きくなるということは、他人と比較した自分を強く意識しているということです。不登校になる場合、「客観的自己」が大きくなってしまって、他人の目が気になりすぎ、劣等感や人の中でいることのストレスを感じる、という具合に、不登校になる要因になります。ただ、面白いことに、同じく「客観的自己」が大きくなることで、不登校の状況から脱出しようという原動力になります。
「客観的自己」が大きくなるということは、「他人と比較した自分」という意識が大きくなるということです。不登校の状況にある子供が、そのような状態になるということは、「他の子供は学校に通っているのだから、自分も頑張って通わないといけない」というふうに、動機づけになるわけです。大きい「客観的自己」が、プラスの方向に働くのです。
この時、どうしても「他の子供と同じように頑張らないといけない」というふうに、気負い過ぎになってしまうのです。中学3年生で不登校の状況にあった子供が、通信制高校ではなく全日制高校の方に進学したがる心理には、そういう気負いが働いている場合があります。
そのように気負ってしまった結果、今の自分の心身のレベルを超えて頑張りすぎてしまい、疲れてしまって再び学校を休むことが多いのです。
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