前回のブログでは、子供が学校に通い始める不登校の「回復期」においては、他人の目を意識する「客観的自己」が大きくなることによって、「他の子が通っている学校に、自分も頑張って通おう」と思い、それが気負いになってしまって疲れ、そのために学校を休むことが多いと書きました。
今回のブログでは、回復期の子供に親御さんがどう接してあげるべきか、書いていきます。
まず、親御さんの嬉しさはひとしおでしょう。長かった、回復期の前の「安定期」でいろいろと子供に働きかけ、ようやく学校に通い始めてくれたわけですから、それは当然でしょう。
ただ、「このまま学校に通い続ける」とは考えない方がいいかもしれません。子供はリハビリ中です。心も体も、学校に通い続けるほどの状態になっていないのです。骨折して入院していた人が、退院して全力疾走できるかというと、できないでしょう。入院中もリハビリはすると思いますが、退院してもまだリハビリは必要です。そうして徐々にならしていって、全力疾走できるぐらいに回復するのが一般的な流れです。不登校においても同じことが当てはまります。まだリハビリ中なのです。
ですから、学校に通い始めても、まだ時々、学校を休むことがあるだろうな、と考えた方がいいでしょう。そのように考えておくと、実際にそうなった時、がっかりせずに済みます。そのような親御さんの姿を見て、子供も「親をがっかりさせなくて良かった」と少し、気が楽になります。
回復期は、中学から高校への進学の時期になることがあります。その場合、気負いから子供は、「頑張って全日制高校に行こう」「週五日通う通信制高校にしよう」というふうに、進学の選択肢を選びたがります。この時にも、親御さんは、「子供は気負っている」とできるだけ客観的な立場になって、アドバイスしていただくと、その後の混乱を少なくすることができます。
難しいところです。子供が「頑張ろう!」と意欲的になっているのに、そのようなアドバイスをすることは、その意欲に冷や水をかけるようなことになるわけですから。そのようなことにならないよう注意しつつ、子供にアドバイスする必要があります。この辺りは、親子の機微がモノを言います。
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