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不登校カウンセリングブログその1372.発達障害(ASD 自閉症スペクトラム障害)の場合は、接客業はハードルが高いかもしれませんが、しっかりこなしている人もいます。


 発達障害には、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)がありますが、今回はASD(自閉症スペクトラム障害)の話となります。


 知人の中に数人、このASDの人がいます。発達障害ですので、もちろん、知性に問題があるとか、そういうことは一切ありません。ただ、それぞれ何か強いこだわりがあり、人間関係に支障をきたすことがあるのです。


 その中の一人は、真面目で誠実で、何事にも手を抜かない青年なのですが、仕事が続きません。半年続けばいい方で、下手をすると1カ月も仕事が続かずにクビになることがあります。


 決して働く気がないとか、怠け癖があるとか、そういうことではないのです。ただ、人間関係がうまくいかないのです。仕事のやり方に強いこだわりを持っていて、それが裏目に出るようなのです。


 その青年は、接客業として働くことを望んでいます。しかし、お客さんとのやり取りの中で、そのお客さんが望んでいることに応えず、自分のやり方に固執してしまうため、スムーズな接客ができないのです。


 それで、お客さんからのクレームが入り、上司に注意されても、その青年は「いや、自分が適切だと考えるやり方はこうです」と反論してしまって、今度は上司との人間関係がこじれてしまい、最終的にはクビになる、というパターンが非常に多いのです。それで、もう十数回、転職を余儀なくされています。


 おそらく、パソコンなどの機械を扱う作業であれば、その青年は続くと思います。しかし、接客業をやることにもこだわりがあって、自分が不利な環境で働き、結局続かないということを繰り返しています。


 仕事が続かないため、その青年は自信を徐々に失っているのですが、周りから「別の仕事にした方がいい」というアドバイスを受けても、自分の希望を変えることはありません。ここでもこだわりがあるのです。


 普通であれば、何度か失敗したら、「自分のやり方ではマズいんだ」ということを理解して、改めるということができるのですが、発達障害のその青年にはできないのです。真面目で熱心に仕事に取り組むので、余計に気の毒です。


 その青年を見ていると、ASDの人には接客業はハードルが高いと感じます。ASDの人が持っているこだわりが、接客という人間関係においてマイナスに働いてしまうのです。


 ただ、それは一般論であり、接客業に就いてきちんと仕事をこなしている人もいます。一概にASDといっても、個人差はもちろんありますので、人間関係にそれほど強いこだわりがない場合は、接客業も可能になります。


 自分の子供がASDの場合、友達との関係をみて、こだわりが強い場合は、接客業以外の道を模索するよう、こだわりがさほど強くない場合は、接客業も視野に入れて、自分の道を探すよう、アドバイスすることが必要なのでしょう。






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