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不登校カウンセリングブログその1394.塾のチラシを見ていて、不登校が増えている背景を思います。



 先日、ツイッターである方が、ある塾のチラシを取り上げていました。チラシでは、その塾がどの学校に何名の合格者を出したかを知らせていて、塾のアピールのためのものとしてはよくあるものです。

 

 しかし、そのアピールの中に、「これらは私立の〇〇よりも上の学校」という一文が書かれていて、そのチラシを取り上げていた人は違和感を感じているようでした。


 学校の偏差値のランクは存在しますし、受験生もその親もそのランクを参考にして、学校を選択する面もあります。ゆえに、〇〇校は××校よりも上、あるいは下ということを意識するのはその通りです。


 ただ、それを塾のチラシにあからさまに掲載するのは、いかがなものでしょうか。学校の偏差値のランクを知らない人にも分かりやすいように書いている、という風にも見えますが、私も何となく違和感を感じて、「こういう考え方が世の中にあちこち広がっていると、不登校が増えるのも当然かな」という思いになりました。


 こういう考え方、上か下かという考え方を拡張すると、「自分は金があるからあいつより上」「自分の学校はレベルが高いからあいつより上」「自分は社会的地位が高いからあいつより上」というふうにしか、人間関係を見なくなるでしょう。自分が他人よりも上なので、その下であると思われる人間を見下し、人間関係は競争関係の場でしかなくなります。


 そういう考え方は当然、子供の通う学校でも広がっているでしょう。社会よりも学校の方が、そういう考え方を強く意識する場であるかもしれません。学校では偏差値によって順位をつけ、受験でも学校のランクを強く意識せざるを得ないからです。


 たびたびブログで書いてきましたが、ある程度の競争は社会に必要だと考えています。競争することによって、人は自分を鍛え上げることになります。


 しかし、それが行き過ぎてしまうと、自分が上だという意識から、他人を蹴落としたり、見下したりして、他人への思いやりとか優しさなどは出てこないでしょう。人間関係がギスギスしてしまいます。


 不登校が増えている状況には、いろいろな背景がありますが、その塾のチラシに見られるように、他人よりも上か下がということばかり意識させる価値観が広がっていて、感受性の高い子供が拒否反応を示している、ということもあるように思います。






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