「そんなことは分かっている」とおっしゃる方も、きっといらっしゃるでしょう。不登校の解決に焦りは禁物ということなど分かっている、でも焦らないではいられないということが、不登校の状況にある子供の気持ちであり、その親御さんの気持ちだと思います。
ずっと不登校の状況が続けば、子供の人生が狭まっていきます。取れる選択肢も減ってきて、子供の幸福を考えると、早く不登校が解決した方がいいに決まっています。
ただ、焦るとかえって、状況を悪化させてしまいます。焦ってしまうと、気持ちに余裕がなくなりますので、子供に対して待つことが難しくなってしまいます。そうなりますと、子供の心を見るだけの余裕もなくなってしまいます。
そうなりますと、今、子供がどのような心の状態になっているかを理解しないまま、子供とコミュニケーションをとることになってしまいます。子供の心を配慮しないような言葉を、子供にかけてしまう危険性が高くなってしまうのです。
よくあることですが、不登校直後、親が子供に、「これからどうするつもり？」とか、「学校に行きなさい！」というような言葉をぶつけてしまうことがあります。この時期の子供の心の状態を理解していたら、そういう言葉をかけても無駄であり、無駄どころかかえって子供の心を混乱させてしまうことに気づくはずです。
不登校直後は、子供は将来のことなど考える心の余裕はありません。将来のことを考えるのも苦痛になることすらあります。親が、この子は将来どうするのだろうかと焦ると、「ｋれからどうするつもり？」という言葉を投げかけてしまって、子供を落ち込ませたり、「うるさい！」と反発されたりします。
解決を急ぐ気持ちは分かります。それが親心でしょう。ただ、不登校の解決の主役は、子供です。子供の心です。その心を無視しても、解決することはできません。焦りは、子供の心を配慮するだけの余裕をなくしてしまい、結果として、不登校の解決を遅らせることになってしまいます。
Comments