
不登校の状況にある子供が、ずっと部屋にこもって、ほとんど部屋の外に出ていなかったとします。何とか、部屋の外に出られるようにと、子供にいろいろと働きかけて、ようやく外に出られるようになったします。
そんな時、親としてつい、先を急いでしまって「じゃあ、次は家の外に出てみよう」というふうに、子供に促してしまうことがあります。それまでずっと、部屋の中にいた子供が、部屋の外に出てくるようになったのですから、親としては嬉しいでしょう。また、部屋の外に出れたら、次は家の外へ、そしていつかは学校へ、と考えるのも、親心としては当然かもしれません。
しかし、元不登校の子供はこのように語っています、「親が、次へ、次へと行動を促してくることに、抵抗を感じた」と。時には、恐怖感を抱いた、ということもあるようです。
子供は、エネルギーがたまったり、気持ちが前向きになったりして、とりあえず一歩、前に進むことができたのです。本当に一歩だけです。二歩も三歩も、前に進むことはまだできません。
そのような状態のところに、親から、「もっと次へ、もっと次へ」と促されると、「このまま、学校にまで誘導されるのでは」と、子供は身構えてしまうでしょう。当然のことながら、まだ子供は、学校に行けるだけの状態にはありません。そんな状態のところに、「いずれは学校へ」という考えで接してこられると、子供は恐れを抱いてしまうのです。
親が、「次へ、次へ」というように接してくると、子供は、「元気な様子を見せてしまうと、次の段階に誘導されてしまう」と考えますので、元気な様子を見せなくなるということもありえます。
子供の状態に変化が見られたら、親はそれを喜びつつも、その状態で子供がリラックスし、ゆっくりと楽しめるよう、心に余裕を持って接してあげるべきです。焦ってしまうと、すべてをぶち壊してしまう可能性があります。
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