子供が不登校になっているお母さんが、カウンセラーなどに相談すると、「お母さんが変わる必要があります」というようなアドバイスを受けることがあるのではないでしょうか。そのカウンセラーが、お母さんから話をよく聞いて、お母さんのこういう所が子供に影響して、不登校になっている、ということが明確になっているのでしたら、そういうアドバイスは有効なのでしょう。きちんと、「お母さんのこういう所がこういうふうに影響しているから、具体的にこのように変わってください」と、具体的にアドバイスしていたら、それは有効なアドバイスになります。
しかし、そういうことを具体的にアドバイスせず、単に、「不登校を解決するためには、お母さんが変わってください」というように、あいまいな内容でしたら、そのようなアドバイスは聞かない方がいいでしょう。かえって状況を悪化させることもありえます。
具体的に、何をどう変わるべきかを伝えることなく、「お母さんが変わる必要があります」などとアドバイスされたら、お母さんは、何をどう変えればいいか分かりません。分からない状態でありながら、「とにかく変わらなければならない」という思いにさせられてしまって、精神的に余裕がなくなってしまいます。その余裕のなさが、お母さん自身を追い詰めます。
さらにそのようなお母さんの状態は、そばにいる子供に影響します。それはマイナスの影響となるでしょう。お母さんが必死に、「自分は変わらないといけない」と強迫観念のように考え続ける状態になっていて、そのお母さんと接している子供にとっては、辛い状態です。子供の心が明るくなっていく、ということは期待できません。実際、SNSをやっている不登校の子供が、「お母さんが『変わらないといけない』と言われて、お母さんの心が揺れてしまい、自分も辛かった」と書いていました。
「お母さんが変わらないといけない」ということは、必ずしもそうではなく、常に取り入れなければならない考え方でもないということを、ご理解いただきたいと思います。
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