私は、学校で絶対に必要なものは、「徳育」だと考えています。「徳育」という言葉には、あまり聞きなれないと思います。今の教育は、知識や思考力を高める「知育」がメインです。その「知育」に対して、「徳育」は、道徳などの「人のありかた」を教えることです。この「徳育」を、学校教育ではほとんど教えていません。子供にとっても、学校にとっても、大切なことだと思うのです。
「徳育」で教える「人のありかた」は、子供が生きる、その後の人生に大きな影響を与えます。善悪の価値観をしっかりと教われば、大人になってから悪に流される可能性は低くなるでしょう。人が失敗する原因の一つに、悪しきことをしてしまうことがあります。犯罪レベルのことをやれば、社会的制裁を受けますし、そのレベルまでいかなくても、他人から信頼されなくなるでしょう。常に善なることをやる人は、他人から信頼されます。たくさんの人から信頼される人生は、幸福な人生でしょう。
「徳育」は、「自分は社会に出てどう生きるべきか」ということを考える材料にもなります。「徳育」では、他人や社会のことをきちんと教えます。他人や社会に対して、どうあるべきかということを考えさせるために、そのモデルとして偉人の生き方などを教えます。その生き方を取り入れるべきかどうかは、その子供にゆだねられますが、少なくとも生き方のモデルとして取り入れることにはなります。そのような子供が成長して、社会を意識するようになった時、そのモデルをもとに考えることができます。
「徳育」では、「礼節の心」も教えます。授業中に立ち上がってさわぎ、自分の好きなことをやる子供には、この「礼節の心」が欠けています。「礼節の心」を教えることで、学校は授業をしっかりと運営できますし、学級崩壊が起きて嫌気がさしている子供が、不登校になるようなことも防ぐことができるでしょう。
「礼節の心」は、子供が社会に出ていった時に、その子供の人生に大きな影響を与えます。社会に出た時、周囲の大人からさまざまなことを教えてもらう必要があります。その時、礼節の心があれば、いろいろな人が喜んで教えてくれるでしょう。
「知育」だけでは、子供が本当に幸福な人生を送るのは危ういです。やはり、他人との関わり方、人のありかたを教える「徳育」も、子供に行うべきでしょう。
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