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不登校解決カウンセリングブログその1540.不登校になる子供が増えている要因には、学校や社会も関係しています。


 不登校になる子供が増えていて、その傾向はとどまる様子がありません。どうして不登校になる子供が増えているのか、今、子供が不登校になっているご家族、不登校にはなっていないけれども、子供を学校に通わせているご家族、学校関係者が、知りたいと思っている事柄でしょう。


 よく、「不登校になる子供が増えているのは、子供が弱くなったからだ」「子育てがうまくいっていないからだ」ということを聞きます。これは、「家庭」に不登校の要因を求める考え方です。


 不登校がまだ「登校拒否」と呼ばれていた時代、1980年代ですが、その時代であれば、不登校になる家庭には一つの傾向があった、ということを、不登校に関連した書籍で読んだことがあります。


 父親がある程度の社会的ステイタスにあり、その父親が外でのストレスを中に持ち込んでいるような家庭です。父親がピリピリしていて、母親も、そうした夫に同調していて、家庭全体が緊張しているような場合に、比較的登校拒否が多く見られた、ということです。


 このように、不登校になる家庭に共通してみられる傾向、しかも子供にとってあまり望ましくない傾向があるのでしたら、「不登校は家庭に、あるいは子育てに要因がある」と言ってもいいのでしょう。


 しかし、現在の不登校は、そうした共通するマイナスの傾向はありません。以前、文部科学省が「不登校は誰にでも起こりうる」という見解を発表していますが、それは「家庭に、不登校になる要因はない」ということでもあるのではないでしょうか。


 子供は、家庭からしか影響を受けるのではありません。学校や、学校以外の社会からも影響を受けています。家庭、学校、社会という3つの場所から影響を受けています。学校や社会という場所も、考える必要があるでしょう。そして、私は、学校や社会に、不登校が増える要因があると推測しています。


 昔の学校や社会にあって、現在の学校や社会にはあまりなくなってしまったものが2つあります。それは、道徳的価値観と希望です。


 学校では道徳を教えることがほぼなくなっています。そこで伝えてきた道徳的価値観によって、他人への接し方、他人への思いやりということを、現代の子供は学べなくなりました。そうなると、学校という場が、一種の弱肉強食の世界になってしまいます。「公立の学校は荒れているから、私立の学校に行かせたい」ということを聞きます。この言葉が、学校では子供たちの関係を物語っているのではないでしょうか。


 不登校になる子供には、他人に優しかったり、感受性が高い傾向があります。そうした子供が、今の荒れている学校に行くと、たとえいじめなどがなくても、だんだんとストレスを感じていき、「学校に行くのが辛い」という思いになって、不登校になっているのではないでしょうか。


 もう一つ、社会から希望が薄れているということも、子供に影響していると推測されます。コロナ感染が広がり、休校になることもありましたが、その影響で不登校になってしまった子供もいます。子供は、まだ社会に出てはおりませんので、社会から影響を受けることはないと思われるかもしれません。しかし、社会からの影響を子供も受けています。今の社会から希望が薄れているということが、子供に影響していると思うのです。


 高度経済成長から、安定成長になった昭和の時代は、右肩上がりの経済成長の時代でもあり、「今日は明日より明るく、希望がある。努力すれば、道は開ける」という価値観を、多くの日本人が持っていたのではないでしょうか。


 それが、平成になり、令和の時代となり、長らく経済成長もなくなって停滞の時代になると、「明日は必ずしも明るくない。こんな時代は、努力しても無駄だ」という思いが、強くなってきています。希望が見えなくなってきた時代です。


 そういう中で生きる子供は、やはり希望が見えなくなってきて、「学校に行ってどうなるの?」「勉強しても何にもならない」というふうに考えるようになってきました。中には、物事を深く考える子供もいて、その傾向が強いと不登校になると、私は推測しています。


 不登校が増える要因として、こうした学校や社会のあり方があるのではないでしょうか。








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