とある知り合いのご家庭は、あまり詳しくは言えませんが長年、ある問題を抱えています。そのご家庭の子供さんは、精神的に何らかの問題を抱えていて、一般的な社会生活が送れないようなのです。性格は素直で、話す内容も、よく本を本でいるなと感じさせるものなのですが、若干挙動不審なところがあるのです。
どうすれば良くなるのかなと考えたのですが、その子にアプローチするなら、しっかりと原因を探らなければならず、そうなると、幼い時から現在までの育ったプロセスや、人間関係、学校や職場での様子などを詳しく聞く必要があります。私は、そういうことを聞ける立場にはないので、せいぜいその子と会話するぐらいしかできないと思うに至りました。
もし、簡単に「〇〇が原因だ」と結論を出して、その結論に基づいてアプローチした場合、もしその結論が間違っていたら、アプローチも間違った内容となり、良くなるどころか、かえって悪化する危険性もあります。
不登校も、同じような状況だと思います。表面に現れたことだけで簡単に結論づけてしまうと、状況を改善するためのアプローチが間違った内容になります。「不登校は子育てのせい」などと結論づけるのが、まさにそれです。
不登校のような、奥の深い問題については、簡単に結論づけることなく、できるだけ状況を詳しく聞き、その聞いたことについて深く考えてから、どういうアプローチをすべきか、形を作っていった方がいいでしょう。そのアプローチも、「こうだ!」と最初から決め過ぎず、「こういう方がいいかな」と柔らかく考えて、その後の子供とのコミュニケーションで、もっと詳しい状況が分かり、そのアプローチを変えた方がいいなら変える、という臨機応変さもあった方がいいでしょう。
最も重要な情報を持っているのは、やはり子供自身です。今の心の状態はどうなのか、なぜ不登校になったのか、どういう言葉を求めているのか等考えながら、子供とのコミュニケーションを重ねていくと、子供へのアプローチの形が見えてきます。
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