不登校の子供の多くが、一日の多くの時間をゲーム(やスマホ)に費やします。ゲーム三昧といっていい日々となり、それに昼夜逆転の生活が加わります。そうなると、そばにいるご家族は「このままでいいのだろうか、ゲームを取り上げる方がいいのではないか」と不安になります。不登校の子供がゲーム三昧の生活になることについて、悩んでいる親御さんは多いです。
そこで、親御さんの悩みや不安が少しでも小さくなるよう、どうやって子供たちがゲームから離れていったのか、その事例をいくつか挙げていきます。
事例1 あきてきてゲームから離れていった
不登校直後からしばらくは、一日十数時間、ゲームをしていた子ですが、エネルギーがたまってきて、外の世界に関心を持ち始めると、一日中ゲームをしていることにあきてきて、徐々にゲームから離れていきました。
ゲームから離れて、かわりにやり始めたことは、その子の場合は読書や、得意だった科目の勉強でした。エネルギーがたまってきて、外の世界に関心を持ち始めると、ゲームをしていることに退屈さを感じ、もっと積極的に何かをしたいと考えるようになったということです。
事例2 フリースクールや塾に通い始めるようになり、ゲームする時間が減った
フリースクールに通い始めると、人との触れ合う時間ができてきて、そちらの方が楽しくなり、ゲームする時間が減っていきました。
また、塾に通い始めて、家で勉強することもできるようになると、勉強の遅れを取り戻そうとして、ゲームする時間が減っていった子供もいます。
事例3 やりたいことを見つけようとしているうちに、ゲームをしなくなっていった
ゲームに熱中している日々が続く中、youtubeの動画を見ていて、関心をひかれた分野がありました。そのことについていろいろ調べていくうちに、その分野に進みたいと考えるようになり、だんだんとゲームをしなくなっていきました。
ゲームに熱中している不登校の子に、ゲームを取り上げる等の強行手段をとるのはやめるべきだ、というアドバイスが多いですし、私も今までの事例では、そのように考えています。それは、不登校の状況が変わっていくと、ゲーム三昧の状態も終わっていくからです。ゲームに熱中しているから不登校の状況が変わらないのではなく、不登校の状況の中で不安で、気持ちを紛らわせたいから、ゲームに熱中しているのです。
もし、ゲームに熱中している子供から無理やり、ゲームを取り上げると、親子関係が悪化し、子供も不安な気持ちを紛らわせる方法がなくなって、不登校の状況にはいい影響を及ぼさないでしょう。ゲームに熱中するのは理由があり、その理由がなくならないと、たとえ取り上げても不登校の状況が変わることはありません。
ゲームする時間が無くなっていくのは、子供が外の世界等、別のことに関心を持ち始めたからです。つまり、ゲームを強制的にやめさせるのではなく、不登校の状況に居続けたいという子供の心に、自信回復や希望を持たせるようなコミュニケーションこそが、必要だということになります。
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