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不登校カウンセリングブログその974.ゲーム依存から不登校になる場合―ゲーム依存になる背景その1―

更新日:2022年12月2日

 以前のブログでは、不登校になると多くの場合、ゲームやスマホに集中してしまうけれども、無理やりやめさせるのではなく、心が元気になっていけば、そうしたものから離れていく、ということを書きました。


 今回のブログでは、因果関係が逆、つまりゲームやスマホへの依存が不登校の原因となる場合について書いていきます。どうしてゲーム依存になるのか、についてです。


 思春期において、子供は親元から離れていこうとします。離れていこうとしますが、まだ十分自分に自信があるわけではなく、自立しているわけでもありません。子供の心の中には葛藤が生じます。その葛藤を心の中で抱えているので、親ともぶつかり合うことになります。思春期の子供たちは、心の内にも外にも葛藤を抱えています。


 また、思春期において重要なことの一つに、自分というアイデンティティや価値観の確立というものがあります。思春期に入る前は、周囲の人、例えば家族や先生の期待に応える形で、「自分とは何なのか」というアイデンティティをつかんでいたのですが、思春期に入っていくと、自我の目覚めとともに、それまでの価値観、考え方、アイデンティティに対して、別の視点から眺めることになります。いったん、それらのものを「本当にこれらは自分の考えなのか、自分なのか」と疑っていき、壊してしまって、再び新しいアイデンティティや価値観を確立していくのです。


 しかし、それがスムーズにいかないと、生きづらさや空虚さを感じることもあります。自分とは何かが分からない、これから何をしていけばいいか、どういう自分を確立していけばいいか分からないという状態になることがあるのです。


 思春期においては、心の中と周囲の人との葛藤、そして生きづらさや空虚さの中で生きることになります。そうした葛藤や生きづらさ、空虚さの中で、周囲の人とぶつかり合い、本を読んだり自分を見つめるなどの形で、答えを見つけていけば、新しいアイデンティティを確立していけるのです。


 ただ、周囲との人間関係が不十分であったり、本人があまり積極的に周囲の人とコミュニケーションをとっていなかったり、自分を見つめて考えることをあまりしなかったりする場合、新しいアイデンティティがなかなか確立できず、葛藤や生きづらさのなかを生きることになります。


 そうなると苦しい状態が続くことになります。その時に、ゲームというような、苦しさを紛らわしてくれるものがあると、そこにのめり込んでしまうことがあるのです。おぼれている時にそばにある、浮き輪のような存在が、ゲームになってしまうのです。





 


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