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不登校カウンセリングブログその975.ゲーム依存から不登校になる場合―脳内で起こっていることと、ゲーム自体は悪ではないこと―

更新日:2022年12月2日

 ゲーム依存やアルコール依存、ギャンブル依存などの「依存」が起きている時、脳内では同じようなことが起こっています。


 脳内には、本能をつかさどる「大脳辺縁系」と、理性をつかさどる「前頭前野」があり、私たちの行動はこれらによってコントロールされています。日常の生活の中では、やや前頭前野が優勢な状態になっています。


 しかし、ゲーム依存のような「依存状態」では、大脳辺縁系が常に優勢になっていて、自分の行動をコントロールできなくなってしまっているのです。


 体内の断面図を撮影するMRI画像で、ゲーム依存の人にゲーム画面を見せると、大脳辺縁系の部分が顕著に反応します。それは、ギャンブル依存の人にギャンブルの写真を見せた時、アルコール依存の人にアルコールの写真を見せた時と同じ反応であり、ゲーム依存がアルコール依存やギャンブル依存と同じ状態になっていることを示しているものです。


 そのような脳内の反応を起こさせるゲームが悪なのかというと、それは違います。アルコールも、適量で収まれば「酒は百薬の長」と言われるように、気分転換にもなり、体にも悪いものではありません。問題は、他のことに支障が出るほど、そこにのめり込んでしまうことです。


 例えばアルコールの場合、しっかりと仕事をして、家族などの人間関係も良好ななかで、適量のアルコールをとるならば、何の問題もありません。のめり込んでしまうのは、仕事や人間関係での自己確立が不十分で、「アルコールしかない」という状態になっているからです。


 ゲーム依存も同様です。家族や友達との人間関係や、勉強などで自己確立が不十分だと、「ゲームしかない」という状態になってしまうのです。特に思春期の、アイデンティティを再確立する段階で、さまざまな葛藤や生きづらさを感じやすい時には、その状態が強くなってしまうのです。


 ゲーム依存で不登校になっているわが子に対して、「もうゲームはさせない」とゲームを取り上げても、多くの場合、解決につながりません。それは、アルコール依存やギャンブル依存と同じように、ゲームにのめり込んだ状態があり、そこを改善していかないと、根本的な解決にはならないからです。





 

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